これまでの街歩き

マンチェスター/ イギリス

2014年2月11日(火) 初回放送

語り:富田靖子

撮影時期:2013年10月

街の「手作りロボット」

Photo

 レンガ造りの鉄道橋のそばを歩いていると、どこからか楽しそうな音楽が聞こえてきました。近づいてみると、そこにはマーケットが。手作りのパンや工芸品と一緒に、中古のカメラなどを使って作ったロボットが売られていました。
 お店のご主人に聞いてみると、「このロボットたちには人格があり、好きな食べ物や趣味がある」と自慢げに話し始めました。ロボット作りを始めて数か月、売れ行きは順調で、とてもうれしいそうです。「でもロボットを大切にしてくれないなら、僕が連れ戻しに行くよ」というご主人のひと言から、このロボットを一つ一つ愛情を込めて作っていることが感じられます。想像力豊かなロボット職人との出会いでした。

街の「産業革命の遺産、運河」

Photo

 産業革命時代、物資の運搬の際に利用されていた運河沿いへ行ってみると、ちょうどボートが水門に入ってくるところでした。ボートを誘導する男性がいたので話を聞くと、南アフリカから奥さんと3人のお子さんを連れてマンチェスターに移り住み、5年前からボートで暮らしているのだとか。「運河での暮らしは、夏や天気の良い日には移動しながら生活するのが楽しいんだ」と笑顔で話してくれました。
 ボートの中を見せてもらうと、暖をとるための石炭ストーブやソファー、台所があり、快適な住空間が広がっています。家族みんな、この暮らしが気に入っているそうで、ボートに乗って去っていく姿はとても生き生きとしていました。

街の「若い才能を育む劇場」

Photo

 若者が集まる地区、ノーザンクオーターを歩いていると、ビルの前に人だかりが。斬新なデザインの商品が置いてあるお店のようです。
 さらに中へ進むと、小さな劇場を発見。若い俳優たちが舞台稽古をしている最中でした。劇場のオーナーが「このビルは80年代初期、イギリス経済が落ち込んでいた頃から、若者の挑戦の場となってきたんだ」と教えてくれました。オーナー自身も舞台の世界で苦労してきたことから、新人の脚本家や俳優にチャンスの場を設けたいと思い、この劇場を作ったそうです。この街の人たちの懐の深さにふれた気がしました。

※NHKサイトを離れます
ページトップ