これまでの街歩き

ロンドン ノッティングヒル界わい/ イギリス

2014年11月11日(火) 初回放送

語り:牧瀬里穂

撮影時期:2014年9月

街の「衛生」

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 パディントン駅を降りて最初に目についたのが、腕にタカをとまらせている男性でした。声をかけてみると、彼はタカ匠。駅にハトが集まってフンをしたり、飲食店のテーブルの上で暴れたりするのを防ぐため、タカを連れて駅構内を歩き回り、ハトを追い払っているんだとか。飛ばさないで歩くだけなのはなぜかと聞いたら、「実際にタカを放すとハトを殺してしまうから」なんだそうです。脅すだけで十分なんですね。
 ちなみにタカ匠さんがパディントン駅にいるのは月水金だけ。その他の曜日はハトが暴れ放題なのかと思ったのですが、一度「ここにはタカがいるぞ」と記憶させることで、ハトが寄りつかなくなるんだとか。環境に優しい衛生維持方法でした。

街の「書店」

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 パディントン駅の裏口を出ると、目の前が運河に浮かぶ船の本屋さん。旅行者が長旅の暇つぶしに気軽に買えるように、安い古本を売っているそうです。いろいろ話していると、ロンドンは地価が高くて普通の書店がどんどん閉店しているんだとか。それでも街から本屋さんがなくなるのはイヤだという人が多く、このお店の本のうち4分の1くらいはそういうお客さんの寄付なんだそうです。
 ノッティングヒルの本屋さんは映画のモデルとなった本屋さんで、実際の撮影はすぐ近く、ポートベローロード沿いの一角にセットを建てて行われました。跡地は現在お土産物屋さんになっているので、映画ファンの方は行ってみると「ああここだ!」と思われるでしょう。

街の「味」

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 パディントン駅の北に位置するエッジウェアロードはアラブの人が多いエリア。クルド料理やイラク料理といった、日本ではあまりお目にかかれない食べ物屋さんが並んでいます。この一角にある青空市場はポートベローロードと違って、魚屋さんなどアラブ系の人の好みに合わせた市場になっています。
 しかしその一角に、イスラムではご法度の豚を売るお店が。しかも丸焼き。これはホグ・ローストといって、イギリスの伝統料理なんです。丸焼きにした豚の肉を薄くそいで、パンに挟んで食べるのがポピュラー。でもイスラムの人は豚を食べないでしょ、と聞いてみたら、「日本人や中国人が買っていってくれるよ」とのことでした。

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