これまでの街歩き

カターニア/ イタリア

2015年4月7日(火) 初回放送

語り:田畑智子

撮影時期:2015年1月

街の「アガタの彫刻家の男性」

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 街の中心・エトネア通りに向かって歩いていると、何かをたたく音が…?音の元へと向かうと、作品を作っている彫刻家の男性に出会いました。特徴的なその作品について聞いてみると、作っていたのは「守護聖人アガタ」の作品。
 イタリアの各町にはその街を守ると言われる「守護聖人」が存在しますが、ここカターニアの守護聖人は「アガタ」と呼ばれる女性。男性はアガタを「私たちをさまざまな恐怖から守ってくれるカターニアの母なる存在です」と誇らしげに語ってくれました。
 ちなみに男性は6歳からこの仕事を始め、今やこの道50年。去り際に「向上心を忘れずにいれば人生を楽しめますから」とにこやかに語ってくれました。カターニアの人々の誇りを感じたすてきな出会いでした。

街の「大邸宅の男性」

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 市場を出てぶらぶら歩いていると、立派なバロック様式の建物を発見。これは18世紀にこの街の貴族・ビスカリ公によって建てられたと言われる大邸宅で、かつてはシチリア旅行中のゲーテも訪れたのだそう。正面に回ると、この大邸宅のオーナーと出会い、中に案内してもらえることに。
 貴族の末えいでもあるこの男性に話を聞いてみると、先祖は1053年のノルマン時代から続いており、街の復興の手助けなどの支援もしたのだとか。ですが、600もの部屋があると言われるこの大邸宅は、修復するだけでも膨大な費用になるため、維持するのは気苦労が多いのだそうです。
 しかし「この建物は人類の宝。後世に残すべきだと責任を感じています」と、使命感にかられている様子。「アガタ聖人の街」らしく、信念の強さを感じた出会いでした。

街の「シェアハウスの女子大生」

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 下町エリアの住宅街を歩いていると、アパートの入口前で、鍵をなくしてしまい、上に住んでいる同居人に開けてもらおうと助けを求めている女性に遭遇。同居人の女性もやってきて話を聞いてみると、ここは女子大学生同士のシェアハウスなんだとか。入っていったらと誘ってくださったので、お宅拝見。中には6人の女子大学生が住んでおり、それぞれのお部屋までありました。
 大学生活について話を聞いてみると、3年生の女性は広告関係に就職したいけど、不況の影響でまだ決まっていないのだとか。「でも誰にも負けないくらい勉強して、仕事に生かしたいと思っているの」と意志を強く語ってくれました。
 「アガタ聖人の強い心」が受け継がれていることを感じられた出会いでした。

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