これまでの街歩き

ポリニャーノ・ア・マーレ/ イタリア

2015年4月28日(火) 初回放送

語り:小倉久寛

撮影時期:2015年2月

街の「時計台のメリーナさん」

Photo

 旧市街の広場の近くに、鐘を鳴らす時計台を発見。地元の女性に聞いてみると、この時計台は手巻き時計で、メリーナさんという女性が番人をしているのだそう。
 紹介してくれるというので中に入ってみると、メリーナさんがお出迎え。時計の動かし方を見せていただくと、クランクを使って1日1回巻くのだそう。巻き終わったメリーナさんは、ゼエゼエと息切れ。まさに毎日、全身全霊で鐘を鳴らしていることがわかります。
 なんとメリーナさん、70年近くこの鐘を鳴らし続けているのだそう。ご主人を亡くされて以来は一人でその役割を担っており、大変な作業ではありますが、「時計は家族なの。ちゃんと動いているかいつも音を聞いているのよ」と笑顔で語ってくれました。

街の「照明アーティスト」

Photo

 旧市街を出て橋を渡った先、静かな住宅街を歩いていると、大きなガラス彫刻を持った男性が家に入っていくのが見えました。その家に近づいてみると、中から別の初老の男性がお出迎え。話を聞いてみると、ここは男性のアート照明の工房なのだとか。
 中を案内してもらうと、カメやヒトデの形をしたランプや、海の石を使った台など、個性的な彫刻がたくさん展示してありました。
 そして次に案内されたのは、工房のテラス。なんとそこには、旧市街と海の景観を一人占めできる絶景が広がっていました。その近くで遊んでいたのは、若い女性とお子さん2人。娘さんとお孫さんかなと思ったら、なんと男性の15歳年下の奥様とお子さんでした!
 芸術ざんまいに絶景ざんまいに仲良しなご家族。幸せをいっぱい感じた出会いでした。

街の「ドメニコ・モドゥーニョを愛する男性」

Photo

 照明アーティストの男性の工房を離れ、海の近くを歩いていると、ギターを持った男性に遭遇。これから友人の家でギターと歌の練習をしに行くという男性は、ポリニャーノ・ア・マーレで生まれた、イタリアで一番有名な曲を演奏するのだとか。作曲家の名前は「ドメニコ・モドゥーニョ」。誰だろうと思って話を聞こうとすると、海の近くへ案内されました。
 そこにあったのは、ドメニコ・モドゥーニョの銅像。男性は、銅像の前で、「ボーラーレ」から始まる、「青」をテーマにした曲を熱唱。なぜ「青」なのか聞いてみると、「青は空の青と海の青。ポリニャーノ・ア・マーレは、青で囲まれた街で、私たちは青い世界にいるんですよ」と熱く語ってくれました。
 ポリニャーノ・ア・マーレの人々の誇りに触れたすてきな出会いでした。

※NHKサイトを離れます
ページトップ