これまでの街歩き

カンタベリー/ イギリス

2015年9月29日(火) 初回放送

語り:田畑智子

撮影時期:2015年6月

街の「ホスピタル」

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 旧市街を歩いていると、まるで中世からタイムスリップしてきたかのような衣装に身を包んだ男性を発見。後をついていくと、ひときわ古めかしい建物の中に入っていきました。
 尋ねると、そこは、かつて巡礼者のための無料宿泊施設だった「ホスピタル」とのこと。「病院では?」と不思議に思っていると、「ホスピタル」は、もともともてなしを意味する「ホスピタリティー」に由来すると教えてくれました。今は生活に困っているお年寄りのための共同住宅になっているのだとか。男性は、ブラザー・オースティンさん。キリスト教の修道士さんで、10年程前からここで働いているそうです。

街の「大聖堂」

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 言わずと知れた街の中心、カンタベリー大聖堂。壮大な建物の中に足を踏み入れると、オレンジ色のたすきをかけた女性に話しかけられました。ボランティアでガイドを務めるキャロラインさん。大聖堂で働く人の多くはボランティアだそうです。
 さっそく見せてくれたのは、床に埋め込まれた1枚のプレート。第二次世界大戦中にカンタベリーが空襲を受けた際、大聖堂の屋根の上にのぼって、降り注ぐ焼い弾を払いのけ、焼失から守った、勇気あるボランティアの一団をたたえるものということ。
 今も昔も、大聖堂を愛してやまない地元の人たちの惜しみない献身があってこそ、巡礼地としての街が守られてきているのですね。

街の「アート教室」

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 旧市街を歩いていると、鮮やかな紫色に塗られた建物を発見。通りに面した大きなガラス窓をのぞきこむと、大勢の子どもたちが机に向かって何やら一生懸命、手を動かしています。すると、中から手招きしてくれる男性が。誘われるままに中へ入ってみると、そこは子ども向けのアート教室でした。この日は、カラフルな陶器を作っていました。
 手招きしてくれた男性、ジャンさんは5年半前にロンドンから移住して、この教室を開いたのだそう。地元の人たちが温かく受け入れてくれているおかげで経営は順調なのだとか。「カンタベリーは、ひとつの家族みたいな街なんだ。今じゃここが僕のふるさとだよ」と笑顔で語ってくれました。

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