これまでの街歩き

大阪/ 日本

2015年11月24日(火) 初回放送

語り:桂 文枝

撮影時期:2015年9月

街の「アイドル」

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 法善寺を抜けて、食べ物屋さんが軒を連ねる通りを歩いていると、おそろいの赤い帽子とユニフォームでカッコよくキメた おばあさんたちの一団が。尋ねると、なんと「野球チーム」。
 皆さん、全員80代で、戦後まもない大阪で結成された女子プロ野球の元選手たち。当時、街の人々の「アイドル」だったのだとか。55年間のブランクを経て2005年にチームを再結成して以来、毎週のように練習していて、時には15歳も若い男性チーム相手に試合をしているとのこと。負けてしまうことが多いそう…でも「試合に負けても年で勝つ!ははは」ですって。
 元気の秘けつは「よく食べ、よく笑い、よくしゃべること」だそう。いや〜、皆さんを見てると明るくなります。いつまでも輝いていてくださいね!

街の「おしゃれな若者たち」

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 大にぎわいの黒門市場を出ると、ちょっと歩いただけで閑静な住宅街。そこに突如現れたのは、3階建てのとてもカラフルで芸術的な建物。中には、雑貨屋さんやカフェ、洋服屋さんなどオシャレで奇抜なお店がたくさん。店主は若者たちばかり。
 聞けば、大家さんが、築60年の集合住宅を再生させようと仲間を集めてリノベーションをし、今ではクリエイティブな人たちの集まるアートスペースのようになっているのだそう。若者たちは街にすっかり溶け込んでいて、近所のおばあさんがファンキーな洋服を買いに来てくれたり、アイスクリームをごちそうしてくれたりするのだそう。
 新しいものや派手なものが好きな大阪気質は、昔からこのように、新しい風をおおらかに迎えいれていたのでしょうね。

街の「住職」

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 道頓堀に戻って繁華街を歩いていると、「弘昌寺」と書かれた看板を発見。こんなところにお寺?見れば、護摩をたいて、祈っている人がたくさん。住職が、「生まれ育ったこの街をもっとよくしたい」と、毎日、護摩をたいているのだそう。一人のおばあさんいわく「道頓堀川に飛び込む人が減ったんは住職さんのおかげ」。
 こちらの住職、実はビルのオーナーで、故3代目・桂米朝師匠から「若手のための研さんの場所が欲しい」と言われ、ビルの4階を演芸ホールにしたのだとか。ビル入り口にある弁財天は、芸能の神様で、桂米朝さんや桂春団治さんら多くの有志によって、平成18年に建立されたもの。
 上方の芸能文化を守ろうという、街の人たちの思いが、脈々と受け継がれているんですね。

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