これまでの街歩き

城壁と不思議の街
ヨーク/ イギリス

2016年10月11日(火) 初回放送

語り:牧瀬里穂

撮影時期:2016年7月

街の「城壁の門番」

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 城壁の上り口で、門番の男性と出会いました。城壁は全長5キロの遊歩道になっていて、一周できるんだよ、すごくいい眺めですよ、と教えてもらいました。門番さんは毎朝、街を一周して扉をひとつひとつ開け、日没には誰も残っていないか確認しながら、すべての扉の鍵をかけるのだそうです。
 門番さん、本業は建築家なのだそうです。3年前ヨーク市から門番の募集があった時、180人が応募し、その中から選ばれたそう。 昼間もお仕事なのに、朝晩城壁を一周するのは大変では?と言うと「毎日違った表情を見せるから飽きることはありませんよ」となにか誇らしげでした。

街の「壁猫巡り」

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 趣のある建物を眺めながら歩いていると、壁に猫がよじ登っている!よく見るとこの猫、飾り物。1軒だけではなく、あちこちの建物にさりげなく猫の飾りがついています。
 通りすがりの人に聞くと、猫はペストを運ぶネズミを退治することから、ヨークでは家を守ると考えられてきたのだそうです。現在20カ以上に猫の彫刻があり、これを探して歩く猫好きの観光客が大勢いるのだとか。
 ホームセンターのお店の壁でも黒猫を見つけ、オーナーの姉弟に由来を尋ねてみました。猫をつけたのは10年前のこと。父親の勤続50年を記念して、娘さんや息子さん、知り合いの建築家が、時計と一緒に猫の飾りをプレゼントしたのだそうです。一つ一つの壁猫に、物語がこもっているのかもしれませんね。

街の「コミュニティ・パブ」

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 城壁の上を歩いていると、楽器をかついだ熟年の男性たちに出会いました。今からパブへ演奏に行くというのでついていくと「ぼくはこのパブの株主だよ」「私も株主だよ」と、次々と株主が…。なんと185人もの株主がいるというのです。
 このパブは地域住民が経営する「コミュニティ・パブ」、4年前閉店して売り出されることになったところ、愛する地元パブがなくならないようにと、常連客や近所の人たちが集まり、一人400ポンドの株を買い、再出発したのです。毎週日曜日のフォークミュージックのセッションは、土木技師など、職業はさまざまな人たちが集まり、30年以上続いているそうです。

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