これまでの街歩き

ドイツ薫るアルザスの古都
ストラスブール/ フランス

2017年1月10日(火) 初回放送

語り:羽田美智子

撮影時期:2016年10月

街の「建築」

Photo

 世界遺産に指定されている旧市街には「コロンバージュ」と呼ばれる伝統的な木組みの建物が立ち並びます。木組みの間に石やしっくいを詰めて補強した独特の建物は中世から造られていて、年を経る中で木組みの構造はより複雑で装飾的なものに変わっていったと言われています。
 旧市街の外側に出ると、打って変わって、大きな石造りの重厚な建物が立ち並びます。この界わいは、1871年、普仏戦争後にアルザスを占領したドイツ帝国によって つくられました。19世紀末、帝国の威厳を示すショーウィンドー的な役割を担っていただけに、建物には当時、大流行した「ユーゲントシュティール」(フランスで「アールヌーボー」)が多く取り入れられました。この界わいは、現在、世界遺産リストに登録申請中です。

街の「言葉」

Photo

 ストラスブールは、国境を接するドイツの影響を色濃く受けています。地元の言語・アルザス語はドイツ語の影響を強く受けています。市内の通りや広場の看板は、フランス語とアルザス語、あるいはドイツ語の2か国語で表記されているものがあります。40代以上の人々の多くはドイツ語を理解できるといわれています。現在でも、家庭内での会話はフランス語でないことも珍しくありません。
 幼稚園からフランス語とドイツ語のバイリンガルのクラスがあったり、授業をドイツ語で行う学校もあったりします。成人して、フランスからドイツへ働きに行く人も多いため、ストラスブールの人々にとって小さいころからドイツ語を習うのは、自然であり、必要なことでもあります。

街の「伝統」

Photo

 ストラスブールは人口27万と、アルザス地方では一番大きな街で、アルザスの伝統も多く残されています。その一つがアルザス・ダンス。伝統的な衣装に身を包み、ブドウの収穫祭や結婚式などのお祝いのときに踊ります。ストラスブールの通りで踊っていた地元のグループの人たちは、戦争で何度も国境が変わっても、自分たち独自の言葉や衣装を守り続けてきた、と話してくれました。

※NHKサイトを離れます
ページトップ