これまでの街歩き

長崎スペシャル/ 日本

2017年1月31日(火) 初回放送

語り:さだまさし

撮影時期:2016年10月

街の「芸子さん」

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 長崎市内一番の繁華街・思案橋横町の界わいを通り抜けると、380年以上の歴史をもつ、かつての花街「丸山町」。現在も、老舗の料亭や芸子さんがお稽古をする「長崎検番」があります。石畳の道をのんびり歩いていると、どこからか三味線の音色が。道の向こうからやってきたのは、着物姿の女性。声をかけると、今まさに芸子さんたちが長崎検番でお稽古中だとか。お言葉に甘えて見学させてもらうことに。
 さださん顔なじみのベテラン芸子さんに混ざって、若い芸子さんの姿もちらほら。ねえさん(先輩)たちから、所作を一つ一つ、必死で学んでいました。でも、好きな音楽はやっぱり今はやりの人気グループなのだとか。若い世代も一緒に長崎の伝統文化を支えていました。

街の「ハタあげ」

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 「龍馬通り」の長い坂道をのぼり続けて、丘のてっぺんへ。広くて真っ青な空に、鮮やかな青赤白色のたこがゆ~らゆら!長崎では「たこ」のことを「ハタ」と呼び、互いに戦わせる「けんかバタ」は大人気の遊びです。
 ハタをあげていたのは、地元の男性たち。「よか風吹いて気持ちかよたい!」。ハタが高く上がって上機嫌のお父さん。ハタを右へ左へ、自由自在に操る自慢の腕前を披露してくれました。子どもの頃から何十年もハタ上げを楽しんでいると言うお父さんたち。天気のいい日はじっとしていられないんだとか。童心にかえって、はたあげをしている姿に、心がほっこりしました。

街の「被曝した柿の木」

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 長崎市の北部、第2次世界大戦下で原爆が投下された地区の中心部を歩いていると、竹ざおを高く持ち上げ、慣れた手つきで柿の実を収穫しているお母さんと出会いました。よく見ると、柿の木の幹にはウレタンが流し込まれ、変わった姿をしています。
 お母さんによると、これは「被曝柿の木」。被爆から70年あまり、今ではしっかり地に根を張り、毎年たくさんの実をつけるのだとか。毎年、収穫した実は、干し柿にしてご近所さん、親戚、また、「被爆柿の木」を訪れた人々に配っているのだそう。「これからもずっと生き続けてもらわなきゃなりませんから。」平和を祈り続ける「長崎の心」に触れた気がしました。

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