これまでの街歩き

シルクロード 乾杯の街
トビリシ/ ジョージア

2017年3月7日(火) 初回放送

語り:草刈正雄

撮影時期:2016年11月

街の「じゅうたん屋さん」

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 店先の道端いっぱいに商品を陳列していた旧市街のじゅうたん屋さん。店内をのぞくと緻密な模様のじゅうたんが山のようです。イランやアフガニスタンなど さまざまな産地の品があり、色や模様の特徴を店の女性が教えてくれました。
 昔からシルクロードを通ってアジアやヨーロッパの物資が集まった交易の拠点ならではの品ぞろえ。「おもしろいものを見せてあげる」という彼女についていくと、建物の2階に上がり、暗い廊下をずんずん奥へ。なんとそこは200年以上前の隊商宿でした。一番奥は吹き抜けになった中庭。外光がよく入り、壁の模様がきれいに浮かび上がります。その中庭で東西から集まってくる品物が売り買いされていたそうです。タイムスリップしたようなひと時でした。

街の「伝統舞踊」

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 新市街のメインストリート、ルスタベリ通り。出会った若者たちについて行った先は、宮殿のようなゴージャスな大広間。男女が舞踊の稽古中。力強く華麗な群舞は、やがて剣と盾の闘いへ。その激しさは、ぶつかり合う剣から火花が飛び散るほど。女性をめぐる男たちの戦いを表現しています。
 話を聞くと、それは千年以上の歴史がある伝統舞踊で、歌や旋律はキリスト以前からのものだとか。リーダーは「ジョージア人の誇りだ」と誇らしげ。
 彼らは海外公演も行う国立舞踊団エリシオニ。舞踊にはジョージア国内のいろいろな地域の踊りがとり入れられ、ポリフォニーの合唱パートもあります。子供たちのレッスンでは、幼いながらも真剣そのものの姿が印象的でした。

街の「路地裏宴会」

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 夕方、謎のネオン「S」にひかれて入り込んだビルのトンネルは、小さな中庭へ続いていました。おじさんたちが集まって立ち飲み会? 誘われるまま輪に加わると、彼らは毎週、そこでワイン片手に喜びと悩みを分かち合い、通りすがりの人にもワインをふるまうのだとか。それがジョージアの伝統だといいます。彼らは日本の震災へのお見舞いを述べたり、富士山を讃えたりしながらワインを飲み干しました。杯を空けるときに客人向けのスピーチをするのは作法だそう。別れ際、また絶対に来てくれよ!って、みんなでまた乾杯。「客人に」「乾杯」「客人に」「乾杯」…トビリシの人たちの歓待の精神に触れ、気持ちがあったかくなる楽しい路地裏宴会でした。

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