これまでの街歩き

こびとが住む街
ウロツワフ/ ポーランド

2017年12月12日(火) 初回放送

語り:永作博美

撮影時期:2017年9月〜10月

街の「監獄レストラン」

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 入り口にこびとのイラストが描かれた路地を進んでいくと、レンガ造りの建物の窓際に、鎖で繋がれたこびと像を発見。建物の中にいた男性が「この"こびと”は、ひげをそった罪で捕まっているんだよ」と教えてくれました。なんでも、ここは、14世紀に建てられた監獄で、現在はレストランとして利用されているそうです。
 男性は店のオーナーで、建物の中庭へ案内してくれました。第2次世界大戦中にはナチスの収容所として政治犯たちが捕らえられていたのだとか。「イメージの悪い場所だったから、明るい場所にしたくて、レストランを開いたんだ」とオーナーさん。今では、街のけん騒から離れられる居心地の良い場所になっているようです。

街の「中庭」

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 オドラ川の北に広がるナドオドジェ地区。ここで、壁にスプレーで絵を描いている男性たちと出会いました。「かつて汚かった中庭を住人どうしが協力しあって、居心地の良い場所に変えようとしてるんだ」と話してくれました。
 中庭へ案内してもらうと、ちょうど、みんなが壁にカラフルなタイルを貼っていました。若者からお年寄りまで、おしゃべりしながら、和気あいあいと楽しそうに作業していました。中庭をきれいにするなかで、住人同士の交流が増えてきて、リーダーの女性は、「今は自然と人が集まってくる場所になって楽しいわ」と喜んでいました。他の人たちも、「まだまだこれからも、中庭をきれいにしていくんだ」と意気込んでいました。

街の「ガス灯」

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 ウロツワフ最古の地区オストロフ・トゥムスキには、中世にタイムスリップしたかのような美しい街並みが広がり、その中に、19世紀から守り継がれる102灯ものガス灯が立っています。その一つ一つに、火を付けてまわる点灯夫の男性に出会いました。マント、帽子、そして点火棒…。昔から変わらない出で立ちは、街の雰囲気に溶け込んでいました。
 ガス灯は、雨の日も雪の日も、夕方につけて明け方に消さなければならない大変な仕事なのだとか。でも、点灯夫の男性は、「いろんな人がガス灯を見て、喜んだり懐かしんだりしてくれる。その姿を見るのが好きなんだ」と語ってくれました。ちなみに、橋にあるガス灯のひとつには、”こびと”がいて、点灯夫の仕事を手伝ってくれているそうです。

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