これまでの街歩き

世界最南端の街
ウスアイア/ アルゼンチン

2018年3月13日(火) 初回放送

語り:八嶋智人

撮影時期:2017年11月

街の「大陸縦断バイカー」

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 ウスアイアには世界中から多くの旅人たちが訪れます。
 今回出会った1人は、バイクでアメリカ大陸を縦断してきたという男性2人組。北米大陸の最北端のアラスカを出発し、カナダ、中米を経由して、南米大陸最南端のウスアイアまで、27000kmの距離を約3か月かけて走り続けてきたのだとか。
 旅の道中は、動物に追いかけられたり、あぜ道に苦戦したり。お金と時間もかかった上に、家族とは長い間、離れ離れ…。それでも、今回のバイク旅は20年以上抱き続けてきた夢だったそうです。
 「俺が夢を追わなきゃ、自分の子どもに『夢を追え』なんて言えないだろ?」と語った言葉が印象的で、かっこよかったです。
 旅人たちにとって、“最果ての街”ウスアイアは憧れの地なんですね。

街の「先住民ワークショップ」

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 住宅地で、子供たちが通うイグサのカゴ作り教室を訪れました。
 イグサのカゴは、数千年前からこの地に暮らしていた先住民「ヤーガン族」の日用品だったそう。ヤーガン族は、海でアシカを取ったり貝を採集したりして暮らしていました。また、ナンキョクブナの樹皮を使った仮面をつけて儀式を行うなど、独自の文化を育みました。
 カゴ作りを指導していた男性は、「ヤーガン族は昔から自然を敬い、自然と共生してきた民族なんだ。現代になってもその心を決して忘れてはいけない。先住民の血を引く我々の責任さ」と話してくれました。
 カゴ作りを教わる子供たちの真剣なまなざしと、先人の思いを後世に伝えていこうという強い意思を秘めた男性の瞳がすてきでした。

街の「高台ファミリー」

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 ウスアイアは市街地から高台へ。手作り感まんさいの木製の階段を上りきった坂の上で、テラスで団らんを楽しんでいた家族と出会いました。
 ご主人はアルゼンチン北部、奥さんはパラグアイの出身。働き口を求めてやって来たこの街で出会い、結婚したのだそう。そして、見晴らしのいい、この一軒家を自分たちの手で一から建てたというのです。かつて、ここは荒れ地で、水道やガスはおろか、道もなかったのだとか。下の市街地から2人で資材を運んでくるなど、非常にたいへんだったそうです。
 最後に、お2人ご自慢の眺めを庭から見せて頂きました。ウスアイアの街、ビーグル水道、その先に広がるアンデス山脈までがきれいに見渡せます。苦労の末に手に入れた夢のような絶景。それを眺める夫婦の感慨深い表情が印象的でした。

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