これまでの街歩き

こだわりと笑顔の街
アテネ/ ギリシャ

2018年4月10日(火) 初回放送

語り:イッセー尾形

撮影時期:2018年1月下旬~2月上旬

街の「伝統のコーヒーの出前」

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 路地を歩いていると、コーヒーを配達している男性と出会いました。33年間、毎日欠かさず配達しているんです。お店まですぐ近くでも、通りのあちこちからコーヒー出前の注文がかかります。配達しているのはご当地独特のギリシャコーヒー。コーヒーも配達スタイルも、ギリシャの伝統なんだとか。彼はお父さんから店を譲り受けた2代目の店主。淹(い)れるのも配達も一人で頑張っています。
 コーヒーの粉から直接煮出すギリシャコーヒーの淹れ方のコツは、企業秘密ですが、思わず口が滑って、大公開!?
「好きじゃなければやりません。とても好きだから親の仕事を選びました」と誇らしげにコーヒーを作る、こだわりのコーヒー屋さん。長年愛されるコツは「真面目にコツコツ、丁寧に。笑顔を忘れずに」とのこと。

街の「地下アトリエの古代の壷(つぼ)」

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 歩いて見つけた地下のアトリエ。その入り口から、大きな壷(つぼ)が見えました。主の画家のおじいさんに話を聞くと、昔、アトリエを広げようと地下を掘ったところ、古代の遺跡を発見!ほとんどの出土品は博物館行きとなりましたが、その大きな壷だけは扉を通らなかったので、アトリエに残ったとか。この壷は、古代、小麦の貯蔵に使っていたものだとか。おじいさんは「本当は博物館にあるべきもの。ここは博物館の小さな展示室のように、照明を当てて公開しているんだ」と笑顔で語りました。
 おじいさんは小学校時代に同級生の肖像画を描き始めたのが、画家となるきっかけ。以来60年、アテネの街並みや、エーゲ海の美しい海を描いてきた。国際的な賞もたくさんもらっているそうです。

街の「白亜の住居区」

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 アクロポリスのふもとを歩いていたら、白亜の家々が立ち並ぶ場所に遭遇。絵画のように美しいこの場所は、19世紀中ごろに、宮殿建設のために集められたアナフィ島の建築職人たちが、住居として建てたもの。当時、日の入りから日没の間に家を建てたら、そこの所有権を得ることができるという法律があり、アナフィ島出身者が集まって、みんなで居住区を造りました。建築スタイルは故郷のアナフィ島と同じ。強い日差しを反射するよう外壁を白く塗る習慣もそっくり踏襲し、アテネの街に白亜の住宅地が忽然と存在するようになったのです。
 そこで出会った、ベテラン郵便配達員の女性は「ここはアテネの中でも特別で、私たちもよくここを散歩します。」と笑顔で語ってくれました。

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