これまでの街歩き

異文化のクロスロード
セウタ/ スペイン

2018年4月24日(火) 初回放送

語り:羽田美智子

撮影時期:2018年1月

街の「ヒンズー教寺院」

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 市街地を歩いていると、どこからか歌声が聞こえてきました。歌声に導かれて建物の中をのぞいてみると、そこはヒンズー教の寺院。多くの人がお祈りをささげています。男性に話を聞いてみると、かつてセウタが自由貿易港だったころ、祖父母の代に商売を行う為にインドからセウタにやってきたのだとか。その後、インドから多くの人がセウタを訪れ、800人から900人ぐらいのヒンズー教徒がセウタにはいるそうです。

 奥に案内されると、そこにはヒンズー教以外の宗教に関わる人の写真が飾られている棚がありました。マザー・テレサやローマ法王の写真まで!他の宗教の考えを尊重し、敬うのはここセウタのヒンズー教寺院だけだそうです。異文化融合の象徴のような場所でした。

街の「モロッコとの国境」

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 セウタとモロッコは陸続きで、国境ゲートには毎日多くの人が行きかうため、近くは車や人で大混雑。

 皆さんセウタで買ったものをモロッコへ持ち帰るために多くの荷物を抱えています。中には電子レンジを抱える人も。

 そんな国境近くでは、モロッコからセウタへ戻ってきたばかりの女性と出会いました。セウタに暮らす女性は、実家がモロッコにあるため頻繁に国境を行き来しているのだそう。ゲートが置かれている国境ですが、この女性のように気軽に行き来することができます。

 さらに国境に近づくと、警備員の手荷物チェックを受ける人たちが行列を作っていました。こうした光景も国境の街ならではです。

街の「夕日の絶景」

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 セウタはモロッコから海に突き出た、半島に位置しています。その先端は小高い山。夕方にそこを訪れると、多くのバイクが山の斜面を下ってきます。実はここ、モトクロスの練習場。近くの子どもたちが集まり、一生懸命練習をしている姿を見ることができます。

 しばらく練習を眺めていると、上の方から車いすに乗ったおじさんがおりてきました。おじさんは、ここの子どもたちがケガをしないように見守る役目、みんなのお父さん的存在です。そんなおじさんに案内されて山を登っていくと、セウタの街を一望できる絶景スポットが待っていました。アフリカ大陸に沈む夕日に照らされ、街が黄金色に輝いていました。

 子どもたちに話を聞くと、『自分たちが育ったセウタの街が大好き、僕らは家族なんだ』とか。子どもたちの顔も輝いて見えました。

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