これまでの街歩き

水の都の春
ベネチア/ イタリア

2018年7月10日(火) 初回放送

語り:羽田美智子

撮影時期:2018年5月

街の「ゴンドラ乗り」

Photo

 朝の海岸沿い。まだシートのかかったゴンドラを眺めていると、その先の海上から厳しい声が聞こえて来ました。声の方に目をやるとゴンドラの上に男性が2人、なにやらこぎ方を教えているようです。
 岸に戻ってきたところで声をかけると、ゴンドラ乗りのお父さんが息子さんに教えているとのことでした。ベネチアではこうやって父親が息子に教えることが多いらしく、「いいゴンドラ乗りになってほしいからつい力が入って厳しくなってしまうんだ」と少し照れ臭そう。
 ゴンドラ乗りを目指す息子さんはお父さんから教わることを「わからないことがあれば家でもすぐに聞けるからすごくいい環境だよ」と話してくれました。

街の「生地屋」

Photo

 運河にかかる小さな橋を渡って運河沿いに歩いた先は小さな広場。そこで立ち話をしていた男女に話を聞いてみると、すぐ横の建物が1700年代から続く高級ベルベットを作る織物工房で、2人はそこで働いている営業担当と職人の方でした。
 2人に案内されて工房の中へ入ってみると、木製の織り機がいくつも並んでいる空間が広がっていました。話によると15世紀に作られた織り機なのだそうです。虎柄のベルベットを織っていた女性の職人は、「これからも若い世代に技術を教えて伝統を維持していきたい」と話してくれました。
 また工房の奥は運河に面していて、何世紀も前から同じように完成したベルベットがそこから世界に運ばれているとのことでした。

街の「女性ボートチーム」

Photo

 カラフルな家が並ぶ運河沿いを歩いていると、おそろいのピンクのウェアを着てボートをこぐ女性たちを発見。追いかけて話を聞いてみると、"ピンクライオネス"という長距離カヌーのチームで、名前のごとくみんな明るくてパワフル!
 実は全員が乳がんの手術を経験している女性たちでした。ボートをこぐ動きに、乳がんの手術をすると腕がむくみやすくなることを抑える効果があることがわかり、結成されたのだそうです。「カヌーを一緒にこぎながら病気に立ち向かっているのよ」とメンバーの女性が話してくれました。来年で結成10年を迎えるそうです。

※NHKサイトを離れます
ページトップ