これまでの街歩き

匠(たくみ)が築いた街
飛騨高山スペシャル/ 日本

2018年7月31日(火) 初回放送

語り:清水ミチコ

撮影時期:2018年5月

街の「上三之町の用水路」

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 飛騨高山を代表する観光スポット、「上三之町」。江戸時代の終わりから明治時代に建てられた木造の町家建築がずらっと並びます。
 人通りの少ない朝、ゆったりと歩いていると、打ち水をしている女性に出会います。使用している水は道の両脇流れる用水路。北アルプスのわき水が流れ出す「宮川」から取水したもの。木造建築が並ぶ上三之町は、昔から火事に悩まされてきました。そのため、通りの両側にある用水路は防火のために使用され、定期的に水をせき止めて防火訓練も行われているのだとか。
 「常に意識をもって暮らしているんです」、先代から受け継いだ街の大切な風景を守る人々に出会いました。

街の「屋台」

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 春と秋の年に2回行われるお祭り「高山祭」。その顔となるのが、高さ8mにもなる巨大な山車「屋台」です。全部で23台ある屋台は、各地区の「屋台組」と呼ばれる人たちによって、巨大な蔵の中で大切に保管されています。
 上三之町で出会ったのは「龍神台」と呼ばれる屋台。屋台組の皆さんが、蔵を開けて、お祭りで傷んだ屋台の修理について、打ち合わせをしているところでした。あらゆるところに、龍の装飾が施された けんらん豪華な龍神台。木工、飾り金具、鍛冶、塗りなど、すべての技が飛騨高山の職人さんによるものなのだとか。いにしえより、脈々と受け継がれてきた職人技を結集して造られた屋台は、飛騨高山の“誇り”なのです。

街の「木造の小学校」

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 街の西へずっと歩いていくと、街のメインターミナル「高山駅」に到着。清水さんの実家がすぐそばにあり、思い出いっぱいのエリア。駅を過ぎると見えてくるのが、清水さんが通っていた小学校です。久しぶりにのぞいてみると、校舎は木造に様変わり。掃除中の後輩たちに聞くと、「椅子も机も全部、木で出来とるもん!」といって、教室を見せてくれました。
 実は、市の92パーセントが森林地帯の飛騨高山。「木の国」とも呼ばれており、高山市内の小学校すべての机と椅子に、木製のものが導入されているんだとか。梁(はり)も壁も、机も椅子もぜーんぶ、木!木々のぬくもりに触れながら勉強している子どもたち、「楽しいよ!温かい!」と元気いっぱいに教えてくれました。

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