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放送内容

国際

なぜ日本人が・・・
~アルジェリア 人質事件の真相~

初回放送

総合 2013年2月17日(日)
午後9時00分~9時49分 総合

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日本人10人を含む39人の命が奪われ、世界を震撼させたアルジェリアの人質事件。狙われた多国籍の天然ガス関連施設は、広大な砂漠地帯の中にあり、周囲に軍が配備されるなど厳重な警備体制が敷かれていた。この施設をイスラム武装勢力が、なぜターゲットにし、どのように襲撃したのか。そして、なぜ多くの日本人が犠牲になったのか。現場の取材が当局によって厳しく制限されているため、その実態は、ほとんど分かっていない。
NHKでは、アルジェリアをはじめ、イスラム武装勢力が活動する北アフリカやヨーロッパなどを徹底取材。施設で働いていた従業員や、事件の首謀者とつながりのある人物、アルジェリア政府の関係者などから新たな証言を得ることができた。そこから見えてきたのは、内通者を使って内部の情報を入手した武装勢力の周到な手口、そして、いわゆる“アラブの春”以降の混乱の中で、勢力を伸ばす新たなテロ組織の実像だ。
海外に進出する日本の企業が、かつてない犠牲を出した今回の人質事件。それから1ヶ月。番組では、国内外で取材した様々な関係者の証言をもとに事件の真相に迫り、日本も脅かす新たなテロの実態を浮き彫りにする。

キャスター 柳澤秀夫解説委員長

放送を終えて

私はこれまで国内外で数多くの事件を取材してきましたが、この事件では予想外の壁に何度もぶちあたりました。事件の一報を受けてすぐに入国の申請をしましたが、ビザが発給されたのは1週間後、現場で事件が収束した随分あとでした。
入国後も、イナメナスの現場の取材が認められたのは、国内外のメディアに公開された一度だけ。わずか2時間で、場所も施設内のごく一部に限られ、取材上ポイントと考えていた日揮の居住区には近づくことすら許されませんでした。
厳しい情報統制にも悩まされました。アルジェリア政府、会社、日本大使館はほとんど取材に応じず、生存した人質の多くも会社側からの指示や政府の監視を気にしてか、口を閉ざしていました。しかし「被害者や遺族のために真実を明らかにすべきだ」と取材に応じてくれる人もあらわれ勇気づけられました。事件前に遡り、何を目撃し、聞いたのか、時系列で丹念に聴き、インタビューが5時間以上にのぼることもありました。そうした証言を積み重ね、情報をつきあわせて精査することで、何が起きたのか、具体的に再現するよう努めました。
この番組で、誰も明らかにしてこなかった事件の一端を伝えることはできたと思いますが、全容はまだ厚いベールに包まれています。日本から遠く離れた厳しい環境で、日本やアルジェリアのために日々懸命に働いていた犠牲者の方の無念の思いを胸に刻み、この事件の取材を続けていきたいと思います。

カイロ支局・記者 西河篤俊
凄惨な事件から1か月。アルジェリア当局をはじめ関係者が厳しく情報を閉ざす中での制作となりました。そうした中、自らの危険や不利益を顧みず、目にしたものを語ってくれた13人の証言者たちの勇気に、心から感謝したいと思います。
貴重な証言の一つ一つを丁寧に重ね合わせていくと、それまで断片的でしかなかった事件の全体像、そして、ディテールが明らかになっていきました。壮絶な現実を目の当たりにすることは、重く、つらい時間となりました。
何のために事実を伝えるのか。幾度となく議論したことです。さまざまな理由、理屈を並べることはできますが、最後は、ご遺族のお一人が語って下さった「どんな思いで死んでいったのか知りたい」という、その言葉に応えることでしかないのではないかという考えに至りました。事件の全貌にまでたどり着けたとは決して思いませんが、遠く離れた土地で、誇りをもって働き、懸命に生きた人々に少しでも報いることができたのだろうか。今も考え続けています。

ディレクター 佐藤祐介

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