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放送内容

宇宙・科学・テクノロジー

ロボット革命
人間を超えられるか

初回放送

総合 2013年3月17日(日)
午後9時00分~9時49分 総合

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今世界で、ヒューマノイドと呼ばれる人型ロボットが続々と生まれている。人間に細かく操作されなくても自分の判断で行動して、階段を上ったり道具を扱う。これまでヒューマノイドの本格的な開発は、日本でしか行われていなかった。現実に必要とされていたのは、工場などで動く産業用のロボットだった。しかし、福島原発事故が世界のロボット開発を根底から変えた。想定外の緊急事態においては、ひとつのことしか出来ない専門型ロボットではなく、人間のように判断し、さまざまな作業ができるヒューマノイドでなければ、人間に代わって活動するのは難しいと、不幸にも証明されたのだ。
米国防総省では、大規模災害に対応できるヒューマノイドを開発するプロジェクトをスタートさせた。過酷な戦場で蓄えたノウハウを動員、世界の企業や研究機関の頭脳を集結している。一方、現在世界最高のヒューマノイド・アシモを開発したホンダも、福島原発に投入すべく、アシモの技術を生かしたロボットの開発を急いでいる。
熾烈な競争によって進化を遂げるヒューマノイドは、研究段階を越え、人間社会に進出しようとしている。そのとき私たちの社会はどう変わるのだろうか。原発事故を機に巻き起こったロボット革命の最前線を追う。

放送を終えて

放送後に届いた1通のメールに、「ラジオ体操するロボット、怖い(笑)」と書かれていました。「怖い」が「笑」になるのが、人型ロボットの親しみやすさなのかも知れません。「ロボット」という言葉がはじめて使われたのは、チェコスロバキアの小説家カレル・チャペックが1921年に発表した戯曲です。語源は、チェコ語で「労働」を意味する「robota」とされています。それから100年近くが経ちました。手塚治虫が描いた「鉄腕アトム」の作品上の誕生日は2003年4月7日でした。それから10年がたった今もまだ残念ながらアトムはまだ生まれていませんが、ある意味、アトムを目指した「ロボット革命」は確実に進んでいます。ロボットには、飛行機や自動車のような世界共通のルールや、コンピューターのような独占的なオペレーションシステムはまだありません。研究者の方々が自由な発想で技術革新を切り開いている、活気あふれる段階なのです。取材中に見つけたNASAの文書には、「ロボット工学をリードする国が、今世紀の世界経済で優位に立つ」という趣旨が書かれていました。しかし、国家や経済のためでなくとも、人の命を救えるロボットが生まれたら、それだけで意味があることだと思います。本田技術研究所や米国防総省DARPAの災害用ヒューマノイドはどこまで進化するのか。これからも注目していきたいです。

ディレクター 伊川義和

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