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放送内容

歴史・紀行

知られざる衝撃波
~長崎原爆・マッハステムの脅威~

初回放送

総合 2014年8月18日(月)
午後10時00分~10時49分 総合

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69年前の夏、長崎を襲った原子爆弾。町も建物もことごとく壊滅したため調査の糸口がなく、その詳しい破壊のメカニズムはわかっていなかった。そうした中、去年、長崎原爆の破壊力を解明する手がかりが見つかった。原爆投下直後に長崎入りした学術調査団が残した34点の写真。着目しているのは爆心直下ではなく、爆心500m地点だ。爆心地の500m先で突如、爆風の威力を増幅させる圧力波「マッハ・ステム」が立ち上がり、破壊力を増した爆風がドーナツ状に壊滅的被害を広げていく様を捉えていた。爆心地の西500m、旧・城山国民学校を写した1枚は、鉄筋コンクリート建て校舎が湾曲し、厚いコンクリート壁が跡形もなく粉砕されている。死者138人。遺体の半数近くが爆風によって激しく損壊していた。
番組では、新たに発掘した写真や証言記録などをもとに、138人が死亡した城山国民学校の惨状をCGで再現、長崎原爆の破壊メカニズムを徹底的に分析。69年前のあの日、爆心500mで何が起きていたのか。核兵器の非人道性の原点に迫る。

放送を終えて

去年発見された、被爆直後の長崎を調査した科学者が作った「原爆の爆風の威力を示す地図」。地図には、爆心地から離れた場所で爆風が威力を増す不思議な現象が記録されていた。取材を進めると、この地図が「マッハステム」という衝撃波の破壊の痕跡を示す可能性があること、そしてアメリカが原爆投下前から爆風の威力を高めるために「マッハステム」の発生を計算していたことが分かってきた。日本の産業や軍事工場を破壊するために意図的に威力を高められた原爆の爆風が、罪もない多くの人びとの命を奪っていたのだ。

番組では、多くの人々の取材協力を得て、1秒にも満たない一瞬で襲いかかった「マッハステム」を特殊撮影やCGで視覚化することに挑んだ。「現代科学の力で爆風の実態に肉薄する」という志を共有してくださった研究者たち。「原爆で命を落とした人たちへのせめてもの供養に」という思いで当時の辛い記憶を証言してくださった被爆者の方々。被爆から69年が経ち記憶の風化が懸念される中で、原爆の惨禍をどうすれば語り伝えていけるのか。その危機感が原動力となった。

その年だけで7万人の命を奪った1発の原子爆弾。番組があの日の出来事に思いをはせる一助となれば幸いである。
(ディレクター 石原茂雄 夫馬直実)

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