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NHKスペシャル「宇宙の渚」。制作スタッフの話から、撮影の裏話や番組に込められたメッセージに迫ります。
第1弾は「宇宙の渚」プロジェクトの概要と、「第1集 謎の閃光 スプライト」をお送りします。

第6回 2012年6月15日更新

MAKING OF THE COSMIC SHORE

宇宙の渚「プロジェクト」 プロディーサー

第1集 謎の先行 スプライト

4月からNHKスペシャルとしてお届けしている「宇宙の渚」。そのプロジェクトは、JAXAオープンラボ公募でNHKの企画が採択されたことで実 現しました。プロジェクトの要となったのは、宇宙用超高感度ハイビジョンカメラ。NHKがJAXA、メーカーと共に、世界トップクラスの技術力と ノウハウを結集して開発しました。国際宇宙ステーションへの搭載にあたっては、多くの試験を実施。そのひとつひとつをクリアし、 宇宙飛行士しか目にすることのできなかった映像を求めて、古川聡宇宙飛行士とともに飛び立ったのです。
(田附英樹プロデューサー)

≪世界観が変わる体験を!≫

「宇宙の渚」プロジェクトでは昨年、国際宇宙ステーションからの生中継を中心にしたNスペとスペシャル番組を放送。地球や宇宙の見方が変わ ったという反響を多くいただきました。そして今年、古川宇宙飛行士が国際宇宙ステーションで撮影してくださった貴重な映像をメインに据え、 Nスペ3本シリーズを制作。科学に苦手意識を持つ方にも何かを感じていただけるような番組になるよう意識しています。宇宙に行って人生観が 変わった宇宙飛行士の方々がとても多いように、彼らが見たのと同じ景色を見ることでテレビの前のみなさんにも人生観、世界観の変わるような インパクトを感じていただけたらいいですね。
(田附英樹プロデューサー)

≪古川宇宙飛行士に感謝≫

番組のプレゼンターをお願いしたのは宇宙飛行士の古川聡さん。国際宇宙ステーションでは数 多くの貴重な映像も撮影してくださり、古川さんの存在なくして番組は成り立ちませんでした。 とても気さくなお人柄で、ご存知の通りのすてきな笑顔の持ち主。国際宇宙ステーションでの撮 影では「なるべく撮影しながら何か話してください」とお願いしました。誰もいないところで撮影す るのですから、照れくさいに違いないのですが、宇宙飛行士しか経験できなかった感動をお茶の 間に届けたいと、使命感を持って一生懸命に“つぶやいて”くださいました。
(田附英樹プロデューサー)

≪悪魔のような塊 !?≫

今回のプロジェクトは、古川さんが撮影してくださる宇宙からの映像が番組制作の鍵を握っていました。ですから、映像が我々の元に届くまで 「撮れなかったらどうしよう…」という不安と闘い続けてきました。えもいわれぬ悪魔のような重い塊が全身にのしかかっているような感覚だったん です。飛行機を使ったスプライトの撮影も初めての取り組みだったため、本当に成功するのか不安でした。幸いにも宇宙、地上ともに次々と撮影 に成功。誰もが初めて目にする映像にお目にかけることができ、うれしく思っています。
(田附英樹プロデューサー)

超高感度カメラの開発
NHKはこれまでもJAXAとプロジェクトを行ってきました。宇宙用に改造したカメラを毛利衛さんに 預け、スペースシャトルから地球を撮影していただいたことも。その際、毛利さんは「夜の地球は すばらしく美しかった。でも、撮ろうとしても何も映らなかった」と残念そうにおっしゃっていたのだ そうです。そうした話を先輩方から聞いていた私たち制作や技術のスタッフは「宇宙に持って行け るような超高感度ハイビジョンカメラを作ろう」と通常業務の傍ら開発を行っていました。
(田附英樹プロデューサー)

第1集 謎の先行 スプライト

SPRITE MAKING OF THE COSMIC SHORE

ラモーン宇宙飛行士の言葉

スプライトをテーマにした第1集では、新しい世界観を提示したいと思っていました。そこで番組の柱としたのは、スペースシャトルの事故で 亡くなったラモーン宇宙飛行士が遺した「 Air and space are one continuity 」(空と宇宙は連続している)という言葉。 古川さんもおっしゃっていましたが、地球の美しさと宇宙の虚無があまりに対照的なため私たちは地球を宇宙から隔絶されたもののように 捉えがちです。しかし、地球は宇宙からいろいろな影響を受けて存在しています。ラモーン宇宙飛行士の言葉は、まさに我々が提示したかった “地球も宇宙の一部である”という世界観を言い得ていました。
(田附英樹プロデューサー)

≪飛行機で撮影≫

番組に携わるようになって初めて、スプライトという現象を知りました。調べてみると非常に興味深く、 目新しさもある。これは番組のテーマになりうると思いました。番組づくりにあたっては、国際宇宙ス テーションからの映像に加え、飛行機を使って地上からもスプライトを撮影することに。スプライトが 出現する条件であるパワフルな雷が多発するアメリカの中西部を訪れました。 ロケ中は夜の9時ごろに空港を飛び立ち、夜明けに戻る毎日…。そんななかでNHKスタッフ、日本、 アメリカ、イスラエルの研究者たち、そしてパイロットなど現地スタッフはスプライトという未知のもの への好奇心で、いつの間にか心をひとつにしていました。
(井上智広ディレクター)

≪肉眼で見えた!≫

パイロットの間では以前から「不思議な光を見た」という証言が度々あったようです。しかし、それが 何なのかは知られていませんでした。スプライトは超高感度カメラで捉えるときれいに認識できるの ですが、あまりに淡く一瞬の閃光のため、肉眼では確認しづらく、目の前で光ったとしてもなかなか 気づきません。ですから、長い間その存在があまり知られずにいたのでしょうね。それくらい見たこ とのある人がまれなスプライトですが、僕は、今回の撮影中にたった一度だけ肉眼で確認すること ができたんです。研究者でもなかなか目撃できないらしく、とてもうらやましがられました……。
(井上智広ディレクター)

ヒューストンロケ
第1集のスタジオパートは古川さんのスケジュールにあわせて、ヒューストンで撮影が行われ ました。スタジオセットは星々に見立てた行灯の光。暖かみのある木のフロアを使い「宇宙の 渚」というテーマの中、古川さんの素朴な雰囲気と暖かい人柄を壊さないようにデザインした ものです。しかし、バーチャルセットなので、スタジオにあるのは全面緑の壁だけ。何も無い中 で話をし、演技するのはタレントさんでも難しいことなので、複雑な動作や演技がCGの演出と 緻密に連動することはせず、なるべく自然体でお話いただけるようにと考えました。古川さんは 「難しい」とおっしゃりながらも、収録が進むにつれてだんだん笑顔が増えていきました。 こうして満面の笑顔がトレードマークの名キャスターが誕生しました。 (倉田裕史アートディレクター)

≪科学の面白さ≫

理系出身でずっと科学番組を作ってきました。そんななかで、科学の面白さは、何かを発見するまでの過程にあると常々思ってきたんです。 もちろん、何かが分かること自体にも喜びはありますが、ああでもない、こうでもないと探っていく道すがらが楽しい。でも、多くの場合、番組では すでに解明されている事柄を工夫を凝らしてお伝えするというスタイルがほとんどで、その道すがらをお見せすることがなかなかできずにいたん です。今回、僕が担当した「謎の閃光スプライト」では、スプライトがどういったものなのかを解明していくプロセスをリアルタイムで追うことができ ました。スプライトを追う人たちの姿を通して「科学はこういう風に前に進んでいくんだな」と一緒に楽しんでいただけたら、とてもうれしいです。
(井上智広ディレクター)

次回ご期待ください

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