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第8回 2012年6月22日更新

放送直前ガイド 見どころから驚きエピソードまで

大英博物館の舞台裏ともいえる収蔵庫に光を当て、意外な事実、新たな謎に迫る「知られざる 大英博物館」。
放送を前に各回の見どころやエピソードを大里智之チーフプロデューサーに聞きました。

見どころポイント

第1集 古代エジプト 名もなき庶民の人生が浮き彫りに

ファラオたち権力者の歴史を伝えることが多かった古代エジプト。しかし収蔵庫には、これまで表舞台に出ることのなかった庶民の歴史を伝える膨大な品々が眠っていたのです。ラブレター、子どもたちの学習ノート、数学の問題集、労働者の勤務表など、そこから当時の庶民の暮らしぶりが鮮やかに浮かび上がってきました。
1人で何枚ものパピルスを残した男性もいます。それを読み解くことで、ひとりの庶民の人生を子ども時代から追いかけることもできました。日々の喜びや悲しみ、悩みなど、現代の私たちと同じようなことに一喜一憂していたことが伝わってきます。
また、ファラオにむち打たれて従う民衆といったイメージも根底から覆されます。ファラオと彼らが良好な関係を築いていたこと、古代エジプトの繁栄を支えていたのは名もなき庶民だったことがわかります。
収蔵庫から明らかになる庶民の歴史。時代を動かすようなダイナミックな歴史ではないけれど、いつの時代も変わらない人間の生きざまが見どころです。

第2集 古代ギリシャ ホントにカラフルだった“白い”文明

真っ青な空と海に映える白亜の神殿や彫像など “白い”文明と呼ばれる古代ギリシャ文明。しかし、実は、本当の古代ギリシャは、色鮮やかなものだったとしたら……。
なぜ“カラフル”が “白い”文明になったのか。そもそも、先進国エジプトやメソポタミアよりはるかに遅れていた古代ギリシャが、紀元前7世紀になぜ一気に文明を開花させたのか。その謎に対する思いがけない答えを明らかにしていきます。
当時、貧しかったギリシャからは大勢の人がエジプトや西アジアに傭兵として雇われていました。そこで10年20年と暮らしていた彼らが、紀元前7世紀、一挙に帰国し始め、エジプトやアジアの色彩豊かな文化を持ち帰り、それが国中に広がったのです。
傭兵によってその基礎が築かれた色鮮やかなギリシャ文明。しかし、ほんの250年前から、ある出来事がきっかけで一挙にイメージが変わります。ポンペイの発見でギリシャ彫刻に関心が高まってきたことや、産業革命によってヨーロッパが世界で優位に立った時期だったことが背景にありました。そして、大英博物館の至宝といわているパルテノン神殿に飾られていた彫刻エルギン・マーブルをめぐる衝撃的な事件!
そんな事件の取材を受け入れ、またありのままを展示する方針をとる大英博物館の姿勢も見どころのひとつです。

第3集 日本 不思議な図面が語る古墳消滅の謎

大英博物館の日本コレクションといえば浮世絵が有名ですが、実は、収蔵庫の中に、膨大な古墳のコレクションが眠っていることは、あまり知られていないと思います。
今から120年前、大坂の造幣局に金属加工の技師として招かれたイギリス人が持ち帰ったもので、その数1000点ほど。彼は考古学の専門家でもあり、16年間の滞在中、休日を利用しては日本中の古墳を訪ね歩いて調査。地元の人から購入したり、自分で実際に発掘調査をして集めたものを大英博物館に収めたのです。
当時、日本ではまだ確立されていなかった近代考古学の手法を取り入れ、発掘品の詳細な記録をすべて残しているため、現在は宅地開発で消えてしまった古墳を再現することもできました。また、当時は指定が始まったばかりで入ることができた天皇や皇族の墓とも思われる古墳に関する貴重な記録も残されています。
そこに古墳の常識を覆す不思議な図面が残されていました。古墳時代の最後を飾った奈良の丸山古墳に描かれていたのは…。そこから日本の巨大古墳がある日、消滅した原因も明らかにされます。謎解きの興味とともに、遠い大英博物館の収蔵庫から明らかになる古墳の実像や役割にも注目です。

エピソード

episode1 なぜ、収蔵庫!?

2007年に放送されたNHKスペシャル「失われた文明 インカ・マヤ」を制作中のこと。中南米の遺跡を取材中、研究者から元々ここにあった棺が、いまは大英博物館にあると聞かされたんです。だけど僕は大英博で見た記憶がない。そしたら全部収蔵庫にあると言うんですね。そんな話を2,3か所で聞いて、大英博の収蔵庫には、我々が知らないものが山ほどありそうだと思ったことがきっかけです。

episode2 収蔵庫撮影秘話

撮影したディレクターが苦労していました。セキュリティーの問題があるので、鍵穴が映ってはいけないとか、ルートがわかるように撮ってはいけないといった厳重な注意があったのです。どこが入り口でどこが出口か、画面を見てもわからないよう編集で工夫するなど、ずいぶん気を遣いました。

episode3 ナビゲーター堺雅人

堺雅人さんをナビゲーターに起用したのは、知的でスタイリッシュなところが大英博物館のイメージに合うと思ったからです。ある程度、歴史にも興味をお持ちだろうとは思っていたのですが、その熱心さにはびっくり。事前に、番組のことを理解したいので本を送ってほしいと頼まれたので、かなり本格的な専門書を何冊も送ったんです。次に堺さんにお会いしたら、それらをしっかりと読み込まれていたので驚きました。かなり難しいものもあったのですが…。いや、本当にこれほどぴったりのナビゲーターになっていただけるとは嬉しい驚きでした。

episode4 高解像&高感度カメラが活躍

大英博物館を堺雅人さんがナビゲートする場面は、情報量がハイビジョンの4倍ある高解像カメラで撮影しました。色合いや色調を忠実に再現できるうえ、CG加工に最適なのです。照明機材を何台も持ち込んでの撮影は許可されないだけでなく、時間もかかってしまうのですが、このカメラは高解像で高感度。暗い条件でも最低限の照明ですみ、限られた時間内に有効な撮影を可能にしてくれました。

episode5 大英博ロケより ー堺 雅人編-

大英博での撮影は閉館後から開館まで、つまり夜中に撮影するという過酷なスケジュールでした。待ち時間も多く大変だったと思うのですが、そんなとき堺さんは熱心に展示を見たり、写真を撮られたり、非常に有効に過ごされていましたね。本当に博物館が好きだということが伝わってきました。
また、番組には出てこないのですが、基本的に大英博物館のことを知ってもらうために収蔵庫も見ていただいたんです。エジプトのミイラの収蔵庫では、その独特の匂いに「生身の文明のようなものを肌で感じることができました」と話し、研究員の方の解説には目を輝かせて聞き入っていました。次から次と研究員の方を質問攻めにする様子が、とても楽しそうだったことが印象に残っています。

episode6 大英博ロケより ースタッフ編ー

静謐な雰囲気が漂う大英博物館ですが、実は撮影中、画面には映らないところで時間との戦いが繰り広げられていました。私たちが撮影を始めようとすると、物を搬入する作業が始まってしまうのです。大英博は巨大な組織なので、撮影に対応する部署と別の部署は、まったく関係なく動いていたのです。誰もいないところで撮影したいのに、彼らの作業も3時間はかかるという。そこで15分だけ待ってもらって撮影し、ワンカット撮り終わると通ってもらう。そんなことを繰り返しての撮影でした。
もう一つの時間との戦いは、当初4日間の撮影スケジュールが日本を発つ3日前に突然3日間に変更になってしまったこと。公務員のストライキがあり、撮影に対応する館員が出てこられないというのが理由です。法律なのでどうしようもないとのこと。撮影延期も考えたのですが、堺さんのスケジュールが空いているのがそこだけ。これは強行するしかないと、結局、スケジュールを組み直して4日かかるところを3日で撮ったのです。

知られざる大英博物館 THE BRITISH MUSEUM 特設サイトはこちら
6月24日から3週連続で放送!
  • 第1集 6月24日(日)午後9時00分~9時58分「古代エジプト」
  • 第2集 7月 1日(日)午後9時00分~9時58分「古代ギリシャ」
  • 第3集 7月 8日(日)午後9時00分~9時50分「日本」
次回ご期待ください

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