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  • MEGAQUAKEⅢ 巨大地震 放送直前見どころガイド 第1回 総合 4月7日(日)午後9時00分~9時49分 第2回 総合 4月14日(日)午後9時00分~9時49分

番組制作の原点 高倉基地プロデューサー

「MEGAQUAKE」というシリーズが生まれたのは、阪神淡路大震災から15年の年でした。阪神淡路大震災がエポックになり、地震学が急速に進んだことがきっかけです。たとえば全国に張り巡らされたGPSなどの観測機器や、人工的な地震を起こすことによって地下にひずみがたまっている場所を調べるといった技術など、それまでは科学者の想像の範囲だったことが、科学の知見が入ることによって地震の姿をより明確に捉えられるようになってきました。日本列島はいまどういう状況にあるのか、科学者たちの挑戦とともに見ていこうというシリーズとして始まったのです。
非常に残念なことでしたが、そのときに取材した内容がそのまま東日本大震災で起きてしまいました。そこで、去年放送した2回目のシリーズでは、3.11とはどんな地震だったのか、どんな想定外のことが起きたのかということを、詳しく見ていくことにしたのです。巨大な地震が残した膨大なデータをもとに調べていくと、さまざまなことが見えてきます。そこで3年目となる今年は、前回よりさらに踏み込んだ形で地震の正体に迫ることをコンセプトにしています。
今回は“活断層”と“揺れ”を取り上げていますが、研究者が集めたデータをCGで映像化すると、日本列島のいまの現状に驚かされることばかりです。それらをセンセーショナルにあおるのではなく、データが雄弁に物語る現実をわかりやすく伝えていくことで、日本列島が置かれている危険を直視し、防災意識を高めていただければと願っています。

第1回 次の直下地震はどこか~知られざる活断層の真実~

天野直幸ディレクター

東日本大震災が残した膨大なデータは、巨大地震発生のメカニズムを明らかにしてきました。そして、いま研究者が口をそろえていうのは、3.11の巨大地震によって日本列島全体の地下のバランスが変化し、活断層が動きやすい状況になっているということ。次に注意すべきは内陸の活断層だということです。迫り来る危機に対して研究はどこまで進んでいるのか。具体的な調査の現場に入り、いまわかってきた最新のリスクに迫ります。
活断層については95年の阪神淡路大震災以来、研究が進み、「NHKスペシャル」でも何度か取り上げてきました。そこで必ず登場するのが細かい線が引かれた日本地図です。日本列島全体に刻み込まれた傷のような線が活断層を表しているのですが、その線をつくり出す本当の要因は何なのか。より深い地下の世界を描こうというのが大きなテーマになっています。
線は一つの手がかりであり、必ずしも線があるところで地震が起きているというわけではありません。震災から1か月後に起きた福島県いわき市でおきたマグニチュード7の地震は、これまで推定された線を越えた部分で地表にずれが生じていました。その謎に迫るため、地下で悪さをしている犯人を捜そうとしている研究者の取り組み、各地で進められている研究を地下の世界から描いていきます。

CGとのコラボレーションで可視化

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この番組の一番の特徴は研究者が描いているイメージを、CGによって可視化していくところにあります。とくに地下はだれも見たことがない世界です。それをさまざまな観測データをもとに立体視して浮かび上がらせることで、研究者が思い描いているであろう世界を視聴者のみなさんにわかりやすく伝えていく。そこがもっとも力を入れているところです。
たとえば、ある研究で活断層を動かす一つの要因として、地下の深い部分にある水を含んだ岩盤、つまり“水”が引き金ではないかという仮説がありました。今回、データをもとに可視化してみたところ、たしかにその周辺から地震が発生して大きな地震につながっていることがわかりました。こうしたこれまでの研究から一歩進んだ可視化情報もお伝えしていきます。
完全に解明できる世界ではないかも知れませんが、だからこそ研究者の気概としてはあきらめずに探求を続けるという姿勢は、3.11以降、今も続いています。そうした研究者のある種の覚悟も感じていただけたらと思っています。
また、活断層の研究といっても研究者の専門はさまざまです。活断層そのものに取り組む、地形を読む研究を進める、穴を掘って痕跡を探す、日本列島の動きを研究するなど、ふだんあまり接することのない研究者たちが、番組をとおしてお互いにリンクする部分を見つけたり、最終的には日本の地震学がある種の壁を取り払い、みんなで謎を解き明かすというきっかけになってくれればいいなというふうにも思っています。

足元のリスクを見つめる

いわき市の活断層

この番組では、地下がどう動くのかを細かく見ていきます。それは恐怖心をあおるためではなく、そのことできちんとした被害想定ができるようにしたいからです。また、起きたら逃げるまもなく襲ってくるという活断層の地震の大きな特徴を知っていただくこともポイントです。それによって一番大事な事前の備えにつながるからです。自分の住んでいる場所の近くに活断層があるとわかったら、耐震を含めてどう備えたらいいのか。具体的に考えるきっかけにもしていただけるのではないでしょうか。
巨大地震が東北で起きたことによって東日本全体が大きな活断層のリスクにさらされているといわれていますが、実は東日本だけの話ではありません。いまや日本列島全体の話になっています。次は南海トラフというところで大きなプレート境界のずれによる地震が起きるのではないかといわれていますが、それ以前に活断層の地震が動きやすくなるともいわれているのです。
東日本は巨大地震のあとの影響、西日本はそれが起きる前の影響として活断層が動きやすい状況だということを感じていただきたいのです。日本で暮らし、そこで命をも守っていくということを考えたとき、自分たちの足元のリスクを直視することが大事なのではないでしょうか。決して他人事ではないと感じていただければと思っています。

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