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緒方貞子 戦争が終わらない この世界で 総合 8月17日(土)午後9時00分~10時29分

ドキュメンタリーとドラマで構成した理由

構成については、緒方さんのライフヒストリーをドキュメンタリーとドラマ、それぞれ半分ずつ交えた形になっています。ドラマという手法を取り入れたのにも理由があり、緒方さんの凄(すご)さを伝えるために、その当時の様子を視聴者に体感していただく必要があると判断したからです。

緒方さんが国連難民高等弁務官だったとき、トップとして緒方さんが下す大きな決断は主に会議場の密室で議決されていました。つまり、その決断内容についてニュース映像で流れることがあっても、“決断そのものを下した瞬間”やそれに至るまでに悩み、議論する緒方さんの様子はほとんど映像として残っていなかった。ドラマパートはその点に着目しました。

ドラマで伝える、“決断の瞬間”

番組でも描いていますが、緒方さんが国連難民高等弁務官に就任してわずか2か月後、クルド難民の大規模な流出が起こりました。イラクから流出した180万人のクルド人のうち、トルコ側国境で押し戻され、行き場をなくした40万人を救うか、救わないかというUNHCRにとっても近代稀に見る重大な問題です。それに直面した緒方さんは、UNHCRが定めたルールや官僚主義的概念を飛び越え、「大事なことはこれでしょ?」と人命救助のため大きな決断を下しました。

この局面をドキュメンタリーだけでお伝えしようとすると、説明だけになってしまいがちですが、取材で得た証言に基づきながらドラマ化することによって、緒方さんの行動や決断の凄さを視聴者のみなさんに体感いただけるのではと思います。 ドラマで緒方さんを演じているのは、女優・斉藤由貴さん。斉藤さんは英語が本当にお上手で、きちんと英語を体に入れた芝居に目が釘付けになりました。また、永島敏行さんや佐々木すみ江さん、品川徹さんなど一流の役者さんたちが「緒方さんのことをやるなら参加したい!」と集まってくださいました。ぜひ俳優のみなさんの熱演にもご注目ください。

緒方さんのバックボーンに迫る

そして、「緒方貞子」の決断力や行動力が一体どこから出てきたのか、そのルーツを探るべく、緒方さんの人生も振り返っています。例えば、外交官だった父・中村豊一さんは生前、日中和平交渉の橋渡し役をされていらっしゃいました。その実直な仕事ぶりから「信念の人」と呼ばれていたようです。緒方さんご自身もお父さんを尊敬していると話して下さいましたし、お父さんがお持ちだった平和観や和平を求める精神はきっと今でも緒方さんが受け継いでいる気がします。また、緒方さんが大学時代に出会った修道女でもある学長は、非常に元気でパワフルな方でした。緒方さんのリーダーシップの原点なのかな?と取材を通して感じたほどです。そんな風に緒方さんのバックボーンを通して人間像を肉厚にすることで、緒方さんが発するメッセージをより視聴者の方のハートに届けられればいいなと思いますね。

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