2011年10月11日(火)
ベトナム帰還兵ウィルトン・セクターは、同時多発テロの日の朝、仕事に向かう途中、息子の勤務先の世界貿易センタービルから煙が上がっているのを目撃した。やがてセクターとアメリカ全体が復讐にとりつかれていくことになる。そのなかで動き出したのが軍産複合体だった。
1960年退任を前にアイゼンハワー大統領はテレビ演説を行い、「この国には制御が困難な軍産複合体が生まれつつある」と警告した。息子で元軍人のジョン・アイゼンハワーは「父は予算拡大を求めるペンタゴンと戦い続けていた」と回想する。しかし、この警告にもかかわらず兵器産業は今もアメリカ各地に巨大な工場を持ち地元選出議員にも強い影響力を持つ。
カメラは国防予算を審議する連邦議会で露骨な利益誘導の演説を行う議員たちを映し出す。こうした政治と軍産複合体の癒着の象徴として行政監視NGOから非難されるのが、チェイニー副大統領がかつてCEOを勤めたハリバートン社がイラク戦争で入札なしにイラクの油田復興など巨額の事業をペンタゴンから請け負っている問題だ。
※放送日時及び放送内容は変更になる可能性があります。最新の放送予定はNHK番組表よりご確認ください。