2007年11月26日(月)
原稿なしカレン族など少数民族への軍事攻撃や、民主化運動のリーダー、スー・チー女史の長年に渡る自宅軟禁など、軍事政権による圧政が続くミャンマー。アメリカなどが中心に、国連安保理に軍事政権を非難する決議案を提出する動きも高まっている。
番組では、10年以上に渡ってミャンマーを取材してきたジャーナリストが、カレン民族同盟(KNU)の医療チームに同行。カレン族の村では、政府軍によって家々は焼き尽くされ、幼い息子を失った両親は悲しみにくれていた。地雷で手足を負傷し、粗末な医療器具で手当てを受ける人もいる。ミャンマーでは、この20年間で3千以上の村が、政府軍によって襲撃されたと言われる。また少数民族は、命の危険が伴う天然ガスのパイプラインの建設現場に連行され、強制労働に従事させられたりしている。
軍事政権による弾圧は民主化勢力に対しても向けられていて、すでに120人の政治活動家が殺害されている。スー・チー女史率いる国民民主連盟(NLD)のある党員は、軍関係者から虐待を受け殺害され、遺体は遺族が対面する前に火葬され、妻は約1万円で沈黙を守るよう言われたという。
ミャンマーは豊富な天然資源に恵まれながら、国家予算の2分の1を軍事費に投入しているため、国民の3人に1人が栄養失調に陥り、世界最貧国のひとつに数えられている。軍事政権が国内で繰り広げている、知られざる圧制と蛮行の実態を暴く。
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