2009年312日(木)

イラクの子 ふたりのアリの悲劇 

イラク戦争の最中、米軍の爆撃により運命を変えられたふたりの子ども。偶然にもアリという同じ名前を持ち、同じ病院で治療を受けたふたりの子どもの惨劇を通して、イラク戦争が罪のない一般のイラク人にもたらした辛い現実を描いたドキュメンタリー。

バグダッドに近いザファラニヤに住むアリ・アバス君。ある早朝、アメリカ軍の爆撃により家は全壊、一家はバグダッドの病院に運ばれたがアリ・アバスくん以外は全員亡くなった。遺体は人間ではなく肉の断片でしかなかったという。アリ・アバスくんも体に大火傷を負い、両腕切断という大手術を受けた。しかしバグダッドが包囲され薬品が不足して治療もできない病院で、術後の感染死が心配される。世界のマスコミとイラクの市民たちが米軍に圧力をかけた結果、クウェートの病院に移送され、治療を受けられることになった。アリ・アバスくんの痛々しい映像が世界で報じられ、各国から支援のメッセージや義援金が送られてきた。そして、アリ・アバスくんは何千もの一般イラク人が体験している悲劇の象徴となった。

もう一人のアリは、バグダッド郊外の農村に住むアリ・フセインくん。爆撃で家族7人が殺され、アリ・フセインくんは九死に一生は得たものの、顔面に原型を留めないほどの大怪我を負った。おじであるカリームが、同じ町にある米軍基地にアリ・フセインくんを運び、やっとのことで米軍機でアリ・アバスくんが入院しているクウェートの病院に運ばれる。そこで顔面の整形手術が行なわれたが、アリ・フセインくんの削ぎ取られた鼻は元に戻らない。片目も失ってしまった彼の将来をカリームは心から心配している。

クウェートの病院では、2人のアリ以外にも爆撃で家族を失ったイラクの子どもたちが何人も治療を受けている。番組は、クウェートの病院にいる2人のアリの治療から退院までを取材し、イラク戦争が子どもたちに残した傷跡を子どもたちの肉声で伝えている。

原題
A Tale of Two Alis
制作
Shine Limited Production / Channel4 (イギリス 2003年)
初回放送
2004年1月6日(火)午後10時00分~
再放送
2004年1月21日(水)午前10時00分~
2004年5月18日(火)午前10時00分~
2004年12月30日(木)午後7時10分~
2009年3月12日(木)午前10時35分~

※放送日時及び放送内容は変更になる可能性があります。最新の放送予定はNHK番組表よりご確認ください。