2011年1月6日(木)
第二次大戦直後、食糧難に苦しむベルリン市民たちは焼け野原と化したポツダム広場を掘り起こして畑を作った。そこへ、お腹を空かせた野うさぎたちも集まって来た。そんなある日、野菜畑に鉄条網が張られ、ブロックが積み上げられ、壁が建てられていく。人びとが争ったり、逃げたり、叫んだりする数日間が過ぎ、そして突然に静寂が訪れた。恐る恐る穴から出てきた野うさぎたちは、自分たちが2つの壁の間に挟まれた細長い土地に取り残されていることを知る。
二重の壁の内側はうさぎたちにとって外敵のいない楽園となり、大繁殖。楽園の創造主はその手柄を世界に自慢したいと思い、世界中から賓客を招く。一方、うさぎたちは望むものを手に入れ、周囲の世界への興味をなくし、次第に無気力になっていった。
そんな中、一部のうさぎたちが壁の下に穴を掘り、西側へ出ていくようになった。すると、楽園の番人は、兵士たちに命じて薬品を使って草を枯らし、うさぎたちを撃ち殺していく。それまでとはうって変わり、うさぎたちは生き抜くために身を潜めた。そして受難の日々が永遠に続くかと思われたある日、突如としてうさぎたちの目の前で壁が次々と壊されていく。
好奇心を取り戻したうさぎたちは、壁を越えて西側へなだれ込む。しかし、行動の自由を得た代償は小さくなかった。彼らを待ち受けていたのはさまざまな外敵や困難だったのだ。
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