2016年96日(火)

“アメリカン・ゲットー”
麻薬戦争と差別の連鎖 前編

友人の黒人女性ナニーの家族がドラッグによって崩壊していることを知り、麻薬問題の取材を開始したヤレッキ監督。全米で麻薬犯罪の取締りに携わる警官、連邦裁判事、受刑囚、ジャーナリストなどを取材するうちに、麻薬撲滅政策が黒人社会に壊滅的な被害をもたらしていることが明らかになる。

アメリカでは、白人の麻薬使用者の数が黒人を大きく上回るにもかかわらず、麻薬関連の逮捕の8割以上を黒人が占めている。その理由は、警察が黒人が住む地域を取締りの標的にしているからだ。前科があると就職できないため、再犯を重ねるケースも多い。
また、レーガン政権時代に成立した厳格な麻薬取締法では、黒人の使用が多いとされる固形コカイン「クラック」に対して、粉末コカインの100倍の懲役年数が課せられる。こうした理由から、黒人の家庭では父親や息子が長期間不在になり、残された家族は精神的にも経済的にも被害を受ける。そして、貧困のサイクルから抜け出せないゲットーの子どもたちは、唯一の選択肢として麻薬取り引きを始めてしまう・・・。
1970年代にニクソン大統領が始めた“アメリカ社会最大の敵”麻薬との戦争は、これまで拡大の一途をたどってきた。しかし、数十年間で膨大な予算をつぎ込み大量の黒人を刑務所に収監してきたにもかかわらず、アメリカ全体で麻薬の使用は減っていない。
2回シリーズの前編は、黒人を標的にした麻薬取締りと、大量投獄を可能にするゆがんだ司法制度を浮き彫りにする。

原題
THE HOUSE I LIVE IN
制作
国際共同制作 NHK ITVS BBC ZDF/ARTE
CHARLOTTE STREET FILMS (アメリカ 2012年)
初回放送
2013年7月23日(火)午前0時00分~
再放送
2013年11月5日(火)午後6時00分~
2014年3月25日(火)午前0時00分~
2015年11月24日(火)午後5時00分~
2016年9月6日(火)午後5時00分~

※放送日時及び放送内容は変更になる可能性があります。最新の放送予定はNHK番組表よりご確認ください。