2010年4月9日(金)
20世紀初頭の世界を記録した貴重な映像がパリに残されている。銀行家で大富豪だったアルベール・カーンは、当時開発されたばかりの技術で各国の様子を世界で初めて、72000枚のカラー写真と、100時間に及ぶ記録フィルム(一部カラー)を残した。極めて貴重な映像資料をもとに20世紀初頭の世界を描く10回シリーズ。
第一次大戦中、カーンは各地へのカメラマン派遣を中止せざるを得なかった。そのかわりフランス政府にかけあい、戦闘の最前線にカメラマンを送り、フランス軍の戦いぶりをカラー写真で撮影することを提案し実行した。その結果、フランス兵が戦争中、どのような日々を送っていたかを物語る貴重な記録が残された。
スイスから北海まで続く西部戦線の塹壕も記録されている。専門家はカラーで記録することで、兵士一人一人の人間性がより生々しく映像に残されたとコメント。途中、あまりの凄惨な戦いに仏軍兵士がストを起こす様子も記録された。現在のようなハイテク戦ではなく、前線で大量の戦死者が出るという当時の戦いのリアリティーが伝わる。
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