2011年531日(火)

エルサレム ふたりの少女
~自爆テロ 母たちの対話~

2002年3月、エルサレムの市場で起きた自爆テロで17歳のイスラエル人女性が犠牲となった。自爆テロ犯は18歳のパレスチナ人女性だった。
事件に関心を持ったイスラエルの女性デイレクターが、双方の母親を取材し、それぞれの家族が暮らしてきた状況を描き出す。被害者の母が自爆テロ犯の母との対話を希望したことがきっかけで、06年、二人がテレビ中継で語りあう手法で対話が実現。娘に死んで欲しくなかった二人の母の思いは通じ合うのか・・・。

エルサレムに住み、何不自由なく青春を謳歌していた17歳のレイチェル。自爆テロで殺されたレイチェルの死を受け入れられない母アビゲイルは、加害者の母を捜し出し、その無念を訴えたいと考えていた。アビゲイルの強い希望で、4年半後にようやく自爆テロ犯の母とのテレビ対話が実現するが、この間に少しずつアビゲイルの感情が変化していく。アビゲイルは、友人やラビに相談し、自分は何を自爆テロ犯の母に問いかけようとしているのかを冷静に見つめようとする。
一方、自爆テロを実行したアヤットは18歳。ヨルダン川西岸地区のデイヘイシャ難民キャンプで死や恐怖と隣合わせで暮らしていた。成績優秀な高校生で婚約者もいた。犯行の2時間前に犯行声明をビデオに収録していた。結婚前の娘がなぜ?と母ウムは今も自らを責めている。しかし、アヤットの友人たちは、原因はイスラエル側にある、とさらなる憎悪を燃やす。
そして2006年、ついにモニター画面を通じて二人の母同士の対話が実現する。アビゲイルはウムに「自爆テロを繰り返しても暴力が暴力を生むだけ。パレスチナの若者に自爆テロをやめるよう訴えて」と主張する。しかしウムは、「イスラエル占領下でパレスチナの人々がいかに抑圧されてきたかを知らなければ娘の行為は理解できない。イスラエルはパレスチナの土地を奪った」と反論し、対話は平行線を辿ったまま終わる。
豊かな生活を送るイスラエル。キャンプでの不自由な生活を強いられるパレスナの人びと。こうした現実が双方の間の溝を今も大きく、そして深くしている。

原題
To Die in Jerusalem
制作
EJH production (フランス 2007年)
初回放送
2008年11月24日(月)午後9時10分~
再放送
2008年12月8日(月)午前10時10分~
2009年4月23日(木)午前0時10分~
2011年5月31日(火)午前0時00分~

※放送日時及び放送内容は変更になる可能性があります。最新の放送予定はNHK番組表よりご確認ください。