これまでの放送

住みたい場所で暮らせない!?

放送日

11月28日(木)夜8:00

再放送12月1日(日)0:00(土曜深夜)

出演者

IVANほか

住みたい場所で暮らせない!?
好きな時間に食べたいものを食べ、したいことをする――重度の障害があっても、ヘルパーの介助を受けることで実現できるはずの「自立生活」。しかし、それは都会だけの夢物語なのか?和歌山県で唯一の自立生活センターでは、障害者の一人暮らしの支援をしているが、もう10年以上、実際に一人暮らしにこぎつけた人はいないという。そこにはどんなバリアがあるのか?どうすれば地方のまちで自分らしい生活ができるのか?考える。

内容

出演者

  • IVANさん  (タレント)
  • 石田雅俊さん  (自立生活センター「和歌山チャレンジ」事務局長/脳性まひ)
  • 上田哲郎さん  (自立生活センター職員/脳性まひ)

住みたい場所で暮らせない!? 写真1

障害者がヘルパー制度などを利用して地域で自立生活を送るには、まだまだ高いハードルがある。「障害が重ければ重いほど、家族や施設、病院で暮らすのが当たり前という先入観が社会の中で強い」と玉木さんも話す。地域によっても大きな格差があるという。今回は、地方都市の現状を和歌山市で取材した。

自立生活in和歌山

住みたい場所で暮らせない!? 写真2

和歌山市に暮らす石田雅俊さん(51歳)は、重度の脳性麻痺で思ったように体を動かすことができない。24時間ヘルパーの介助を受け、自由な1人暮らしを謳歌している。しかし、石田さんも、36歳までは施設暮らしだった。決められた時間の起床にはじまり、食事も決められた時間。今のように好きな時間に好きなものを食べる、お酒を飲むなんてことはもってのほかだった。

14年間自立生活者が増えていない?

住みたい場所で暮らせない!? 写真3

石田さんの仕事は、自立生活センターの事務局長として障害者の地域生活をサポートすること。同僚の古久保愉美さんも、同じく施設を出て一人暮らしを実現させた1人だ。自立生活を満喫する2人だが、実は悩みが。この14年間、センターで1人暮らしを新たに始めた人は、誰もいないのだ。一体、なぜ?

住みたい場所で暮らせない!? 写真4

その原因を考えるべく、和歌山での自立生活を諦めた高橋雅之さんを訪ねた。現在、高橋さんは故郷の和歌山を離れて1人暮らしをしている。彼が故郷での暮らしを諦めざるを得なかったのかは、介助者が見つからなかったことが原因だった。筋ジストロフィーの高橋さんにとって、命綱となるのが人工呼吸器。24時間医療的ケアが必要だが、和歌山ではその人員の確保ができなかったのだ。

新たに自立生活の志願者登場!

住みたい場所で暮らせない!? 写真5

そんななか、14年ぶりに自立生活をしたいと言う人が現れた! 和歌山市在住の板井里浦さん。古久保さんとは同じ施設で過ごした幼なじみだ。彼女の希望条件は、家賃が安く、作業所に通える範囲で、なじみのヘルパーに通ってきてもらえる場所。古久保さんが見つけてきた市営住宅は、エレベーターがあるものの、作業所の送迎範囲をこえている。自力で通えないか検討してみたが、最寄りの駅は、ホームに行くまでに段差があり、無人駅で駅員に助けを求めることもできない。さらに、バスもノンステップバスの本数が少なく、難しそう。不動産店で相談してみたが、バリアフリーな住宅そのものが少なく、条件に合う物件が見つからない。もう1軒回ってみたいところだが、時間切れ!実は、板井さんがガイドヘルパーとともに外出できるのは、月20時間以内と決められているのだ。

進まない制度、深まらない理解

住みたい場所で暮らせない!? 写真6

和歌山市の場合、移動支援に対するガイドヘルパーの利用できる時間数は月20時間。それに比べて、玉木さんの住む地域では月60時間。地域や自治体によって障害者を取り巻く環境に大きく差が出ているのが現状だ。大阪の自立生活センターで働く上田哲郎さんは、大学時代を佐賀で過ごしたが、「(地方だと)障害者が外に出ることは少ないし、やっぱり周りが無関心」と言う。石田さんも「(和歌山では、多くの)障害者が施設に入っていたり、家族と住んでいたりして、家族とか施設職員の力が強くて、言いたいことも言えない」と話す。

1人暮らしの魅力を後輩たちに伝えたい

住みたい場所で暮らせない!? 写真7

自立生活に踏み出す仲間を増やしたい石田さんは、あるチャレンジを試みた。それは、母校の支援学校で一人暮らしの魅力を後輩たちに伝えること。石田さん自身、高校時代は1人暮らしという選択肢があることすら知らなかったためだ。集まったのは中等部から高等部までの5名。自立生活をしている仲間たちのビデオメッセージを流し、最後に「若い時の失敗は絶対に無駄にはなりません」と力強く自分の言葉で締めくくった。石田さんの話を熱心に聞いていた生徒は「1人暮らしは無理かなと諦めたこともあるけど、話を聞くと、できることもあるのかな」と反応は上々。無事母校での講演を終え、自宅に戻った石田さん。おいしい日本酒で乾杯できたそう。

家族のみなさんへ「否定だけはしないでほしい」

住みたい場所で暮らせない!? 写真8

スタジオでは、玉木さんが「いま石田さんが母校に行って、僕はこんな暮らしをしてますよと言えたことはごっつい大事なこと」としつつ、生徒たちが特別支援学校でなく、地域の学校に通っていたら、障害のない人と同じようにいろんな選択肢を考えられるんじゃないか・・・とつい考えてしまうそう。
最後に石田さんがどうしても、障害のある人の家族に伝えたいことがあるという。「『1人が暮らししたい』って言ったときに、応援しなくてもいいから、否定だけはしないでほしい。見守ってほしい。私の場合は『できやん、できやん(できない、できない)』って言われ続けてきたから」

玉木幸則のコレだけ言わせて

玉木幸則のコレだけ言わせて

「困っているかどうか、そこだけで判断するべき」

障害があるということは、特別なことがある人のことではない。それにいい加減気付いてよ!と思う。人がいないとかお金がないとか、それ以前に、まず自分に置き換えて想像してみて対応していますか?と言いたい。収録でも言ったけど、障害の重度とか軽度とかの言い方もイヤ。それぞれのしんどさは比べようがないやん? 見える障害、見えない障害もそれと同じで。要するに「困っているかどうか」、そこだけで判断していかないと。それは「地方だから」とか「都市だから」とかは関係ない。それに「合理的配慮」という言葉も誤解されている。話し合いを続けることが合理的配慮。ノンステップバスが走ればそれで終わりか、といえばそうじゃない。駅のホームに向かうために3段の階段を登らないといけない。けれども登れない。無人駅で人の手も借りられない。。 さまざまな条件を考え不動産店で聞くのだが、ここで板井さんのヘルパーさんと外出できる時間のタイムアップ。とにかく部屋を探すだけでも時間的制約、条件的制約に阻まれていた。