土曜ドラマ
「破裂」

初回放送

2015年10月10日から放送[連続7回]
毎週土曜 夜10時 総合

ストーリー

老化した心臓を若返らせる「夢の治療法」で医学史に名を残そうと野望を抱く心臓外科医・香村(かむら)(椎名桔平)。「医者は三人殺して一人前になる」という哲学を持ち、研究の実用化のためなら手段を選ばない冷徹なエリートだ。だがその療法には香村もまだ気付いていない副作用が潜んでいた。心機能が劇的に回復したのち、心臓が破裂して突然死を起こすのだ。この副作用で老人たちが「寝付かず苦しまずに死ねる」ことに目をつけ、「超高齢化社会の究極の解決」を目指そうとする官僚がいた。「国民生活省のマキャベリ」と呼ばれる稀代の策士・佐久間(滝藤賢一)。「来るべき超高齢化社会を前に無為無策でいたら、この国は滅びます。日本では、延命治療の是非も問わずに医療が無軌道に進歩し、寝たきり老人が多い。いかに多くの老人がぽっくり逝きたいと願っているか知っていますか?」――佐久間は香村に巧妙に近づき、「夢の治療法」を乗っ取ろうと陰謀をめぐらす。その療法の被験者第一号となるのは、心不全で引退状態にあった国民的名優・倉木(仲代達矢)。実は香村は倉木の隠し子。幼い頃、母親と自分を捨てた倉木を恨んで生きてきた。およそ四十年ぶりに再会した二人は激しく衝突するが、死ぬ前にもう一本だけ映画を撮りたいという倉木の執念から、初めての治験を行うことになる。だが、後になって恐るべき副作用が明らかに……。体内に時限爆弾を抱えた倉木。果たして香村は倉木を救えるのか。佐久間の陰謀から研究を取り戻せるのか。そして人は、人生の最期に何を望み、何を見出すのか――?

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各回のあらすじ

第1回
帝都大学医学部准教授・香村鷹一郎(椎名桔平)は、冷徹なエリート医師。年老いた心筋を若返らせる画期的な新療法を開発し注目を浴びる中、怪しげな官僚・佐久間和尚(滝藤賢一)から国立ネオ医療センターにスカウトされる。大学教授選の勝利が確実視されていた香村は誘いを断るが、その直後、過去の医療ミスを告発する怪文書騒ぎに巻き込まれる。一方、心不全で引退状態の国民的名優・倉木蓮太郎(仲代達矢)が香村の治験を希望し入院してくる。香村と倉木にはある秘密があった……。

第2回
倉木(仲代達矢)が快復し治験が成功したかに見えた矢先、心臓破裂という副作用の可能性が浮上し、香村(椎名桔平)は動揺する。倉木の「奇跡の復活」が世間の注目を浴びる裏で、必死に副作用の改善を図る香村。だが医療ミスの怪文書騒ぎも訴訟にまで発展しそうになり、遺族側の弁護士・松野公子(坂井真紀)の攻勢もあって追いつめられていく。そんな中、佐久間(滝藤賢一)は改めて香村をネオ医療センターにスカウトし、恐るべき計画を明かす。それは、香村療法で老人たちを寝つかずに死なせ、社会の超高齢化に歯止めをかけようというものだった……。

第3回
香村(椎名桔平)は、自らの療法を佐久間(滝藤賢一)に悪用されないよう、副作用の存在を世間に公表。その改善に全力を注ぎつつ、怪文書騒動を引き起こした佐久間との内通者をあぶり出そうと動く。一方、香村を取り込むカードを失った佐久間は、新たな弱みを握るため医療ミス訴訟の行方に目を光らせる。その頃、原告側の弁護士・公子(坂井真紀)は、香村が患者の体内に置き忘れたという手術針を入手し、核心に迫ろうとしていた。そんな中、倉木(仲代達矢)は偶然、香村の息子・直輝(里村洋)と出会い、祖父だと名乗らぬまま言葉を交わすが……。

第4回
医療ミス隠蔽の証拠を佐久間(滝藤賢一)に握られた香村(椎名桔平)は、腹心の厨(甲本雅裕)と共にネオ医療センターに移籍を余儀なくされた。老人たちに突然死をもたらす大規模治験に表向き協力するが、裏では決して死人を出さないと心に誓い、突然死の回避策を研究し続ける。そんな中、倉木(仲代達矢)の心臓にも副作用の兆候が見え始め、焦る香村。だが倉木は撮影に打ちこむ余り体を酷使し、定期検査もすっぽかすようになる。強く憤慨し倉木と激しく口論する香村に、倉木の妻・彰子(キムラ緑子)は思いがけない秘密を打ち明ける。

第5回
香村(椎名桔平)の療法は完全に佐久間(滝藤賢一)に乗っ取られ、老人達に突然死をもたらす大規模治験に悪用される事となった。更に佐久間は、官房副長官・伊達(嶋田久作)らを巻き込み安楽死法案の法制化に向けて動き出す。その動きを追う公子(坂井真紀)の親友のジャーナリスト・珠季(市川実和子)は、小池(モロ師岡)から脅迫を受け命の危険にさらされる。そんななか香村は、心臓破裂のリミットが近づく倉木(仲代達矢)を手術で救おうとするも解決策探しは難航。遂に自分たち父子が佐久間に利用された事を倉木に告白してしまう。それを聞いた倉木は単身、佐久間の許に向かう。

第6回
3ヶ月後。香村(椎名桔平)の療法をもとにした大規模治験により、多くの被験者たちが心臓破裂のタイムリミットを迎えようとしていたが、佐久間(滝藤賢一)のプロパガンダが着々と進み、世論は「ポックリ死」を理想とする方向に傾いていた。香村はジャーナリストの珠季(市川実和子)と組み、佐久間を潰すためのネタに迫るが、珠季が小池(モロ師岡)に殺されてしまう。だが珠季は公子(坂井真紀)に決定的な物証を遺していた。佐久間はその物証を手に入れるため、香村を医療ミス裁判の件で脅して取引を申し出るが、香村は思いもよらない行動に出る。

第7回[終]
香村(椎名桔平)を命の危険から救ったのは、意外な人物だった。安楽死法案の国会提出を目前に佐久間(滝藤賢一)の「プロジェクト天寿」が大詰めを迎える中、ネオ医療センターでは突然死に怯える被験者が出始め、厨(甲本雅裕)ら職員達にも動揺が広がる。事務次官の林田(佐戸井けん太)は治験の中止を命じようとするが、佐久間に弱みを握られ身動きが取れない。そんな中、香村は公子(坂井真紀)と共に佐久間の身辺を洗い、官房長・城(佐野史郎)に接近。最後の勝負に出る。そしてついに、安楽死法案を推進する超党派の国会議員連盟の集会で、運命の時がやってきた……。

キャスト

香村鷹一郎(椎名桔平)
佐久間和尚(滝藤賢一)
松野公子(坂井真紀)
厨忠彦(甲本雅裕)
上川珠季(市川実和子)
芹沢直(水橋研二)
香村直輝(里村洋)
伊達伸吾(嶋田久作)
小池清(モロ師岡)
林田博史(佐戸井けん太)
城貞彦(佐野史郎)
須藤彰子(キムラ緑子)
倉木蓮太郎(仲代達矢)

脚本・主題歌など

【原作】久坂部羊「破裂」
【脚本】浜田秀哉
【音楽】蓜島邦明

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