ストーリー
元号が令和に代わり、最初の終戦の日 関連の特集ドラマ
太平洋戦争の中で最も凄惨を極めたフィリピン攻防戦の渦中に、6000人以上の民間の日本人女性がいました。
窮乏生活の本土に比べむしろ安定した暮らしが営まれていましたが、昭和19年、米軍の猛攻が開始されるや状況は一変します。マニラ湾を出港する船はすべて撃沈、帰国の途を閉ざされた彼女らは軍の指示に従い、ルソン島内を北へと向かいますが、多くはその旅の途中で命を落とします。
辛くも生き残った女性たちが書き残した戦争体験をもとに、ドラマを描きます。
太平洋戦争中、日本の占領下にあったフィリピンでタイピストなど職業婦人として活躍していた女性たち。米軍のフィリピン進攻にともないマニラを脱出した女性たちは、密林をさまよう地獄の逃避行を続ける。毎日のように続く米軍の爆撃、ゲリラの襲撃。そして飢餓。
精根尽き果て、仲間を、我が子を、見捨てざるを得なかった人も少なくない。さらに、軍の命令で見習いの従軍看護師にさせられ、日本軍と行動をともにした女性たちもいた。逃避行の最中に作られた3千人の避難民名簿を手がかりに徹底取材。生存者の証言と残された手記から、マンゴー実る南国で「楽園」と「地獄」を体験した、女性や子どもたちの知られざる物語を掘り起こす。