ストーリー
「男はつらいよ」が現代の大阪によみがえる!
1969年8月、山田洋次監督、渥美清主演の映画『男はつらいよ』が公開され、大ヒットとなった。以来、寅さんと妹さくらとの情愛や、瞼(まぶた)の母・お菊との丁々発止、マドンナとの出会いと別れなど お決まりの人情話は日本のお盆や正月に無くてはならない風物詩となった。
映画 第49作『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇』から約四半世紀。2020年、舞台を大阪に変えて、「贋作 男はつらいよ」として寅さんが現代によみがえる。
寅さんを演じるのは、関西の落語家・桂雀々。寅さんにふんして注目を集めた落語会「桂はつらいよ」。その風貌が似ていることで、山田洋次監督自らが新しい寅さん像を着想した『贋作 男はつらいよ』。寅さんの妹のさくら役の常盤貴子とそのファミリーも、みんな大阪弁をしゃべる。設定を現代に置き換え「贋作」をうたうが、“本物の本物による「贋作」”であることが、ドラマの一番の見どころです。
【あらすじ】
秋の観光シーズンを迎える箱根の旅館、高見歌子ら関西から来た女性3人組を部屋に案内する寅次郎。地元が大阪という共通の話題から関西のはなしで盛り上がり、帰りの弁当代まで出してしまう。父親と大げんかをして家を出てから30年経つが、この出会いで里心が芽生えた寅次郎。東大阪市・石切神社の参道にある甘味どころ「くるまや」では平穏な日常の日々が流れていた。ある日、法事を執り行っていた「くるまや」に、風変わりなちん入者が。いぶかしがる一同をよそに、なんと寅次郎が30年ぶりに大阪・石切に帰ってきたのだった。
- もっと読む
-
各回のあらすじ
第1回「大阪の寅やん」
秋の観光シーズンを迎える箱根の旅館。関西から来た高見歌子(松下奈緒)たち3人組を部屋に案内する車寅次郎(桂雀々)。地元が大阪という共通の話題から歌子たちと大いに盛り上がり里心が芽生える。30年前、父親と大げんかをして、たった一人の妹さくら(常盤貴子)を残して家を出た寅さんこと寅次郎が、東大阪市・石切神社の参道にある甘味どころ「くるまや」に帰ってきた。
第2回「石切慕情」
寅次郎(桂雀々)が石切神社でお参りをして家に帰ると、箱根で出会った女性の一人・歌子(松下奈緒)がくるまやを訪ねてくる。寅次郎やさくら(常盤貴子)がもてなし、楽しいひと時を過ごす。「また来ます」と笑顔で帰って行った歌子だが、実は一人悩みを抱えていた。数日後、ある決心をし再び歌子は「くるまや」を訪れるのだが、タイミング悪く寅次郎は不在。
第3回「寅やん、京都へ行く」
新世界の串カツ屋で、寅次郎(桂雀々)が若い外国人の店員相手にくだらない話をしながら飲んでいると、みすぼらしい着物姿の老人(田中泯)が財布を落として支払いができないと店員と揉めていた。無銭飲食で警察に連絡されそうになるが、持ち前の人情で寅次郎が代わりに代金を支払ってあげることに。そのまま酔っぱらって、老人を「くるまや」に連れて帰るのだが…。
第4回「夕焼けの寅やん」
久しぶりに石切に帰って来た寅次郎(桂雀々)だが、再び旅に出ようとしていた。そこに偶然、池内青観(田中泯)と寅次郎の共通の知り合いである京都の芸者・ぼたん(田畑智子)が「くるまや」にやってくる。ぼたんはとても明るい性格で、「くるまや」の雰囲気はいつも以上ににぎやかになる。しかし、実はぼたんはある人物に大金をだまし取られ、それを返してもらおうと大阪に来ていたのだ。