ストーリー
あなたが町の一隅で懸命に営む、ささやかな日々の暮らし――
そこには、平凡だが、実は波乱万丈な人間の物語があふれている。
「あなたに似た誰か」は、人間の<生と死>を見つめ続ける 写真家・藤原新也 の短編小説を原作に、町の片隅で懸命に暮らす人々のミステリーに満ちた人生の一コマを描く、温かくて泣ける連作短編ドラマです。
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各回のあらすじ
第1話「カハタレバナ」
彼岸に母の墓参りをした武藤(大杉漣)は白い山桜を墓前に見つけ不審に思うが、易者の倉本(笹野高史)から「誰が手向けたか分からない花、つまり"カハタレバナ"だ」と教わる。次の彼岸、武藤は墓前に鶏頭の花を見つける。それは12年前に離婚した妻・美和子(佐藤夕美子)が好きな花だった。そして次の彼岸、墓前に花はなかった。一抹の不安を感じた武藤は妻の事情を聞こうと、娘のさと子(本仮屋ユイカ)に会う決心をする。
第2話「記憶の海」
事故で意識不明となった賢哉(山本耕史)は、恋人・早紀(中越典子)の献身的な看病もあって奇跡的に回復する。だが、賢哉は記憶を失い早紀のことが分からない。担当医の杉原(カンニング竹山)からリハビリ用に自分の携帯電話を渡された賢哉は、携帯に残っていた写真を見て、早紀と自分が恋人だったと気づく。早紀とともに過ごした記憶がない自分が恋人になれる自信はないと賢哉は告白し、それを聞いた早紀は賢哉の元を去るが…。
最終話「車窓の向こうの人生」
電車の窓から海を眺めて通勤するのが山折(宅間孝行)の日課だが、たまたま海と反対側に立って通勤した時、あるアパートに干されている色鮮やかなビーチドレスを発見して驚いた。それは山折の母・澄子(泉ピン子)との折り合いが悪く、4年前に離婚した妻の真琴(奥貫薫)が大切にしていたものと同じものだった。それ以降は山側に立って車窓から元妻の姿を探すのが日課となるが、ある日ついに真琴の姿を見つけ、山折は決心をする。