ストーリー
湯治場の雰囲気が残る別府市鉄輪(かんなわ)。ここには、「貸間旅館」という自炊の素泊まり宿が点在している。
貸間旅館・清和荘の一人娘・藤原ひかる(徳永えり)。母で女将の綾子(銀粉蝶)が倒れたことをきっかけに、跡を継ぐべく東京から戻ってきた。
しかし、母は告げる。「貸間は私の代でおしまいにするで」と。
行く先の見えない清和荘には常連夫婦、若いカップル、引きこもりの学生と、ここでしか出会わないような客が滞在中。
そこへひとりで現れた、老人客・三郎(松方弘樹)。「こんなボロ宿、どこがいいんだ」。憎まれ口をたたきながらも泊まり続ける。
三郎に振り回されるひかる。"地獄"の町に、自分の居場所はないのか…。そんな思いを抱いていたとき、黒服の男たちが清和荘に踏み込んできた・・・。