ストーリー
「世界でひとつだけの服」を作りたい!男社会のテーラー業界に二十歳のじゃじゃ馬娘が殴り込み! 頑固職人の父に憧れ、家業の小さな店「テーラー楠」を継ぐ決心をした下町のじゃじゃ馬娘・花梨。しかし、当の父親は大反対。典型的な男社会の仕立て屋稼業に小娘の出る幕はないというのだ。でも花梨には、どうしてもテーラーになりたい理由があった。父の跡継ぎになるはずだった弟が事故で死んだのは、自分の責任だったから。 さまざまな夢や悩みを抱えて「テーラー楠」を訪れる客と花梨の「特別な一着」をめぐるドラマを横糸に、娘の成長が嬉しいのに素直には喜べない、少し屈折した父娘の心の触れあいを縦糸に、テーラーとして、人間として成長していく花梨の姿を描く心温まるホームドラマ。
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各回のあらすじ
第1週(第1回~4回)「じゃじゃ馬テーラー志願」
花梨(上原美佐)は紳士服のオーダーメイド店「テーラー楠」の一人娘。店はブランド物や安売り店に押されながらも、父・広(長塚京三)が何とか切り盛りをしている。そんな折、花梨は、事故死した弟の変わりに店を継ぐと宣言するが、広に猛反対される。なんとかテーラーになることを父に認めさせたい花梨は、コンクールの出品を思いつく…。
第2週(第5回~8回)「弟の生まれ変わり?」
花梨の前に、亡き弟と同じ名を持つ楠木隼人(海東健)という客が現れた。初めての客に花梨は張り切るが、その投げやりな態度に困惑する。父・広の助言で、隼人を知るため、彼の人となりを取材する花梨。そこで彼が将来を嘱望された野球選手であったのが、故障で営業マンへの転進を迫られていることを知る。一方、花梨の母・由子(竹下景子)も、亡き息子と同じ名前の隼人の出現で、心を乱していた…。
第3週(第9回~12回)「華麗なるお客様」
ある日花梨は、開店間近のチョコレート屋の店長・幸子(原沙知絵)から制服作りを依頼される。しかし幸子は、元ホステスで単なるお飾りの存在でしかなかった。案の定オーナーから「錦糸館」に別途制服のオーダーがあり、正式な制服を決めるためのコンペが行われることになる。錦清晴との勝負に、今度こそはと意気込む花梨。しかし…
第4週(第13回~16回)「人生を包みこむコート」
ある日「テーラー楠」に五井会長が現れる。そして最高級の服地ヴィキューナを使ったコートを依頼し、しかもテーラーは花梨を指名。一生に一度あるかないかのチャンスに舞い上がる花梨は、同時に注文を受けた会長付運転手原田(津嘉山正種)のコートの作業をおざなりにしてしまう…。
第5週(第17回~20回)「狭き門より入れ」
「テーラー楠」が、五井会長から業界で一流とされる「つばめ倶楽部」に推薦された。それは父・広の長年の夢でもあった。しかしその有力会員である「錦糸館」のオーナー・錦清一郎(黒部進)が強硬に反対。そこで「テーラー楠」の実力を判定する意味で、花梨に有名陶芸家・尾川(市村正親)の服を作る課題が言い渡される。それは彼の亡き恩師と同じ燕尾服を作れというもの。しかしそれは日本では珍しい生地で作られた大変貴重なものであった。この仕事にテーラー生命をかける花梨は、錦が生地の情報を握っていると知るが…。