ストーリー
80年から90年にかけ青年誌に連載され、絶大な人気を得た劇画「人間交差点」が甦ります。原作者であった矢島正雄氏が、あらためて現代から原作を見つめ直し、その後のドラマを書き加えるという手法で、新しいドラマ「人間交差点」を創造します。
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各回のあらすじ
第1回 「引退記者のファイル」
出雲で農業をする老人・寺島由次(仲代達矢)には、新聞記者だったという過去がある。ある日、姉の孫娘で新聞記者の仕事に行き詰まっていたマリエ(佐藤江梨子)に、自分の書いた20年前の原稿を見せることになる。そこには、他人の子どもを押しつけられ、迷いながらもその子の母となることを決意する、ある不良少女の物語がつづられていた。マリエは自らを奮い立たせるため、その少女の今を知りたいと由次に求める。
第2回 「赤ひげの歳月」
マリエ(佐藤江梨子)は由次(仲代達矢)の原稿の中に、ある青年医師(山口馬木也)について書かれたものを読む。その医師は有能な研究者であったが、教授と対立し大学を追われ小さな診療所で働く。やがて復学の誘いがあった際、彼は一介の医師、下町の赤ひげとして生きる道を選ぶ。20年後の今、マリエはその医師が贈収賄の罪に問われ、警察に逮捕されたことを知る。
第3回 「翼ある船は」<終>
由次(仲代達矢)はマリエ(佐藤江梨子)を伴い、死期迫る息子(上杉祥三)のいる金沢へ旅立つ。途中、鳥取砂丘で、父親に会いに舞鶴港へ行きたいという少年に同行する。たどり着いた舞鶴港で、少年の父親は既に亡くなっているが、それを信じない少年が幾度もこうして舞鶴にやってきていることを知る。その姿に由次は、かつて兄の引揚船を待ち続けた自分自身を見る。由次は自らの家族をめぐる悲しい過去と向き合うことを決意する。