ドラマ10
「サイレント・プア」

初回放送

2014年4月8日から放送[連続9回]
毎週火曜 午後10時 総合

ストーリー

サイレント・プア――声なき貧困。いま、そんな「見えない貧しさ」が社会に広がっている。それに立ち向かうべく新たに全国各地に登場したのが、コミュニティ・ソーシャルワーカー(CSW) という仕事だ。
里見涼(深田恭子) は東京下町の社会福祉協議会CSWとして、今日も愛する町を駆けまわる。
涼が出会うのはゴミ屋敷の主、引きこもり、ホームレス、若年性認知症など、懸命に生きながらも現代の社会的孤立の淵に沈んだ人たち。彼らに手を差し伸べ、それぞれの人生にふれていく涼だが、そんな涼自身にも独りで抱え続ける絶望的な孤独があった。
人は何度でも生き直せる――この信念で走り続けた涼がその先に見出したのは、自らが手を差し伸べてきた人や町に支えられ、新たな生へと踏み出す自分自身の姿だった。

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各回のあらすじ

第1回「その手を離さない」
社会から孤立した人たちの「SOS」を見つけ出し、手を差し伸べようと、今日も町を駆け回るコミュニティ・ソーシャルワーカーの里見涼(深田恭子)。近隣住民から苦情のあったゴミ屋敷の対応に乗り出すが、その主は江田房枝(香川京子)というお年寄りだった。最愛の息子を亡くしたのがゴミをためたきっかけと知った涼は、庭にある栗の木に着目。房枝の心を開くとともに、近所の人たちに房枝のことを知ってもらおうと試みる。

第2回「家族の太陽」
養育費も慰謝料ももらえずに幼い娘を連れて嫁ぎ先から戻り、腎不全を患う女性からの「SOS」。自宅を訪ねると、アルコール依存症の父、寝たきりの母、そして引きこもりの弟・光良(渡辺大知)を抱えた多重問題の家族だった。
苦渋の決断で幼い娘を一時的に施設に預けることを勧めた涼だったが、その時、光良が部屋から飛び出し、家族をばらばらにしてはダメだと訴える。涼と二人三脚で、光良の社会復帰の努力が始まる。

第3回「最後の幸せ」
ホームレスの木下和男(大地康雄)が、家賃滞納で追い出された元の住居へ不法侵入。涼は生活保護を受けて病院に行くよう説得するが、かたくなに応じない。だが木下は公園で吐血し、余命僅かとわかる。木下は優秀な左官だったが、けががきっかけで社会からこぼれ落ち、唯一の肉親である妹(結城しのぶ)ともあえて縁を絶っていた。妹の昔の手紙を取りに不法侵入したと知った涼は、何とか妹と連絡をとらせようとする。

第4回「母の歌」
涼の親友で民生委員の石田敬子(坂井真紀)には、若年認知症を患っている母・敏子(左時枝)がいた。ある日、敏子は敬子の幼い娘とともに行方不明になってしまう。実は敬子は長年生き別れだった母との苦い思い出を抱えており、それを知りつつあえて同居を勧めた涼は責任を感じ、必死で行方を捜すのだった。一方、元ゴミ屋敷の主・房枝のもとには、なにやら怪しげな男が出入りするようになっていて――。

第5回「30年の孤独」
涼が作った引きこもりの自立を支援するサロンに否定的な自治会長の園村幹夫(北村総一朗)。だがその園村のひとり息子で海外で成功しているはずの健一(阪田マサノブ)は、実は何と30年間も自宅に引きこもっていた。息子の行く末を案じた園村は、涼に健一の存在を打ち明ける。涼は背景に、人生の選択の全てを父である園村が決めてしまっていた問題があると見抜き、それぞれに語りかけることで親子の間を変えようとする。

第6回「小さなSOS」
夜の街で涼が出会った少年・すばる(川﨑剣人)。 親のネグレクトを疑うが、少年の母親はフィリピン人(アーリン・ディングラサン)で、日本人の夫に捨てられ、生活のために夜通し働くことを余議なくされていた。 日本語が余りできずに孤立する母親を支えることで、少年の生活を良くしようとする涼(深田恭子)。だがようやく地域にとけ込んできた矢先、母子には日本国籍がないことが判明する。

第7回「心が届かない」
事故で高次脳機能障害を負った夫を自宅で介護したいという妻・みき(前田亜季)。夫婦で開いた一口餃子店を守りたいという強い思いを知った涼(深田恭子)は、みきの援助に乗り出す。だがみきは、夫・啓(成河)から何の反応も得られないことに心をすり減らしていく。ついに店と自宅での介護を諦めようとしたみきに、涼は最後に夫婦ふたりの餃子を焼いてみることを提案する。啓の残したノートを見て、みきは餃子を焼くことを決意するが――。

第8回「そばにいるだけで」
東日本大震災で自主避難し、困窮する家族を支える活動を始めた涼(深田恭子)。ある時出会った寛次(蟹江一平)は元老人ホームの職員。地震の日に仕事を休んでおり、入所者たちを救えなかったことに人知れず苦しんでいた。一方、妻の昭子(笛木優子)は生きる気力を失った夫の姿と、自分が一人で家計を支える重圧に苛立ちを募らせていた。涼は寛次に、同じ避難者の悩みを聞く相談員になってほしいと依頼するが――。

第9回「私は、その手を離さない」
ホームレスだった木下(大地康雄)が、地域の人たちに見送られて亡くなった。涼(深田恭子)は遺言に従い、愛用のカップを木下が知り合ったホームレスに手渡す。ある日、梅雨末期の突然の豪雨で、町は浸水の危機にさらされる。涼や祐一(北村有起哉)の素早い動きと、町の人たちの助け合いで避難を無事に完了するが、いったん避難した筈のホームレスが木下のカップを取りに危険な川べりに戻ってしまった。それぞれに救出に向かった涼と祐一だが――。

キャスト

里見涼(深田恭子)
山倉祐一(北村有起哉)
三輪まなか(桜庭ななみ)
石田敬子(坂井真紀)
江田房枝(香川京子)
木下和男(大地康雄)
里見幸子(市毛良枝)
吉岡一郎(米倉斉加年)

脚本・主題歌など

【作】
相良敦子

【主題歌】
Perfume 「Hold Your Hand」

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