今回ご紹介するのは、大がかりなギャグ満載の傑作コメディー「グレートレース」(1965)です。
20世紀のはじめ、冒険家のレスリーはニューヨークからパリまでの長距離自動車レースを提案します。レスリーをライバル視するフェイト教授と助手のマックス、女性記者のマギーも出場し、波乱万丈のレースがスタートしますが…。

アニメ「チキチキマシン猛レース」の元ネタ

衣装も自動車も白一色、白い歯もキラリと光るヒーロー・レスリーを演じるのは、当時のハンサム・スターを代表するトニー・カーティス。一方、黒の衣装に身を包んだ悪漢・フェイト教授を演じるのはジャック・レモン、その助手で相棒のマックスを演じるのはピーター・フォーク。そして、ピンク色がまぶしいヒロイン、マギーを演じるのはナタリー・ウッドです。ちなみに、日本でも人気のあったアニメ「チキチキマシン猛レース」は、この映画がヒントだということです。

レスリーの邪魔をしようとするものの失敗ばかり、自慢のマシンは次々壊れてしまい、泥だらけ、泡まみれになってしまうフェイト教授とマックス。その体を張ったギャグは、何度見てもお腹を抱えて笑ってしまいます。

マック・セネット、チャールズ・チャップリン、バスター・キートン、ハロルド・ロイドといった映画の達人たちがサイレント時代に量産した、“スラップスティック”とよばれる視覚を重視した数々のコメディーは、子供から大人まで世界中の観客を笑わせ、小津安二郎監督をはじめ、多くの映画作家を魅了しました。
この映画のブレイク・エドワーズ監督も、そんなスラップスティック・コメディーに魅せられた一人。サイレント時代のギャグを、鮮やかなカラーで再創造したのがこの作品です。

冒頭に“ローレルとハーディにささげます”という献辞が出てきますが、スリムなスタン・ローレルとたっぷりしたオリバー・ハーディの2人は、サイレント時代から活躍したコメディアンで、「スローターハウス5」の作家、カート・ヴォネガットも大ファン。日本では“極楽コンビ”と呼ばれ、パンチの効いたギャグは世界中で愛されました。2人の十八番の一つが、クリームたっぷりのパイを使った“パイ投げ”。この作品では、映画史上最大ともいわれる規模で“パイ投げ”が繰り広げられます。

大真面目にギャグを考え、俳優の演技、セットや大道具・小道具、スタント、特殊効果、すべてに莫大な手間と工夫、制作費が注ぎ込まれた、壮大な爆笑コメディー、ぜひお楽しみください!

【放送日時】
プレミアムシネマ「グレートレース」
12月9日(土)[BSプレミアム]前0:15~2:54

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