困難と闘いながらTOKYOを目指す難民アスリート

「国際報道2019」第一回「シリア 片足を失った“難民スイマー”」

4月23日(火)[BS1]後10:00~10:40

来年に迫った「東京オリンピック パラリンピック」。「国際報道2019」では、世界各地で困難と闘いながらTOKYOを目指す難民アスリートたちの姿をシリーズで追います。

「難民アスリート」が注目されたのは、2016年に行われたリオデジャネイロオリンピック パラリンピックで、「難民選手団」が初めて結成された時でした。紛争や迫害などが理由で、母国を追われた難民アスリートたちのオリンピックへの参加の道を開きました。この試みは、人々に感動を与えただけでなく、世界中にいる難民たちの多くにとっても、夢や希望となりました。そして、東京オリンピックでも再び「難民選手団」の結成が決定。また東京パラリンピックでも、今後、結成される見込みです。

シリア出身 イブラヒム・フセイン選手

シリーズ第一回目の4月23日(火)の放送では、内戦で足を失いながらも、同じように戦争で障害を負った人たちを勇気づけたいと、戦火から逃れたギリシャでパラリンピックを目指すシリア人水泳選手を紹介します。また、生き別れた家族との再会を願い、一人で練習を続けるエチオピア人の陸上選手や、異国の同胞たち、特に子どもたちと共に未来を切り開きたいと、東京オリンピックで追加競技に採用された空手に出場することを夢見るシリア人選手も紹介します。

難民アスリートたちの姿を通して、スポーツがもたらす「生きる力」に迫ります。

制作者メッセージ / 飯野真理子ディレクター

選手の一人が言った言葉──。
「人間らしさを失ってはいけない。人間らしさとは、他人のことを考えられることだ」。
取材中、あまり多くを語ろうとしなかった選手が、不意に言葉を詰まらせながら、私に語りかけたのです。
難民アスリートたちは、様々な事情で母国を追われ、異国を目指し、逃れた先でも、多くの苦難に直面してきました。壮絶な人生を生き延びてきたからこそ、他の人の痛みや悲しみを敏感に感じることができるのかもしれません。

そんな状況でも、彼らは日々、練習に励んでいます。練習中は厳しく自分を追い込み、その心身に背負うものの大きさを感じずにはいられませんでした。同じような困難にある数千万の難民たち、命を落とした同胞たち、スポーツをする余裕などなく、日々生きるだけで精一杯の人たちのことを彼らは決して忘れていません。

家を訪ねた時には、食べきれないほどの母国の料理をふるまってくれたり、何日もかけて手作りのプレゼントを準備してくれたりする思いやりにあふれる人たちでもあります。

来年の東京オリンピックでも「難民選手団」が結成されます。しかし、誰も望んで「難民」になったわけではありません。理想を言うなら、「難民」という言葉がなくなればいいと思います。それでも「難民選手団」が結成されたことで、世界中の人々が「共生」を考えるきっかけになることを期待します。それは私だけでなく、彼らの願いでもあります。

多くを失った後に立ち上がり、たゆまぬ努力を続け、人のことを思いやる、そんな強く優しい彼らの姿が「難民」のイメージをほんの少しでも変えていくことを願います。

スポーツという視点から難民に注目するこのシリーズ。
苦難と向き合いながらも懸命に生きる難民アスリートの姿をご覧ください。

「国際報道2019」第一回「シリア 片足を失った“難民スイマー”」

【放送予定】4月23日(火)[BS1]後10:00~10:40

▶ 番組ホームページ

取り上げた番組はこちらです!

検索 NHKサイトでもっと探す

その他の注目記事