苦難に直面しながらも、たくましく生き抜いていく

風と共に去りぬ【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

5月6日(月)[BSプレミアム]後1:00

南北戦争を背景に、さまざまな困難に直面しながらも、たくましく生き抜いていくスカーレット・オハラの物語…。今回ご紹介するのは、80年前に製作され、世界的な大ヒットとなったアメリカ映画史上にさん然と輝く作品です。

ゴージャスな映像が今も魅力的!

スカーレットを力強く演じたイギリスの名女優ビビアン・リー、粗野でありながら、魅力的なレット・バトラーを演じたクラーク・ゲーブル、ともにこれが代表作となりました。

企画・製作はデビッド・O・セルズニック。「キング・コング」(1933)「アンナ・カレーニナ」(1935)などの名作のプロデューサーで、その全精力を傾けたのが、マーガレット・ミッチェルの長編小説を映画化した、この超大作でした。

セルズニックは、劇作家で脚本家のシドニー・ハワードの第一稿に満足できず、多くの脚本家にリライトを依頼、自身も改稿をてがけました。監督は当初、旧知の友人だった名匠・ジョージ・キューカーでしたが、演出に介入するセルズニックと対立し、「オズの魔法使」(1939)などのビクター・フレミングに交代、フレミングも、過酷な現場とセルズニックとの軋轢あつれきから一時降板し、「誰が為に鐘は鳴る」(1943)のサム・ウッドが参加するなど、撮影は困難を極めました。

モノクロが主流の時代に鮮やかなカラーで製作され、そのゴージャスな映像が今も魅力的なこの作品、壮大なスケールを表現するため、数々の場面で特殊撮影が使われています。そのビジュアルに多大な貢献を果たしたのがウィリアム・キャメロン・メンジーズです。1896年生まれのメンジーズは、ラオール・ウォルシュ監督の「バグダッドの盗賊」(1924)など、サイレント時代から美術に携わり、監督・製作者としても活躍。この作品では、それぞれのシーンの精密な絵コンテを作成し、アトランタ炎上の場面などでは演出もてがけました。セルズニックはメンジーズの仕事に感服し、“production design”という肩書を作りましたが、現在のアメリカ映画でも、美術や視覚効果など、ビジュアル全般を統括する仕事として、このクレジットが使われています。

メンジーズは、その後もアルフレッド・ヒッチコック監督の「海外特派員」(1940)「白い恐怖」(1945)などの名作で美術や視覚効果を担当、監督としても西部劇「南部に轟く太鼓」(1951)、SF「来るべき世界」(1936)「惑星アドベンチャー/スペース・モンスター襲来!」(1953)などをてがけ、映画美術や視覚効果の礎を築きました。

アカデミー作品賞はじめ9部門を受賞した不朽の名作、改めてお楽しみください。

【放送日時】
プレミアムシネマ「風と共に去りぬ」
5月6日(月)[BSプレミアム]後1:00〜4:47

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坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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