どんな人が駅でピアノを弾いているんだろう?

駅ピアノ

6月24日(月)[BS1]後9:00

駅や空港に置かれた1台のピアノを前に、人々がいろいろな想いで音楽を奏でる姿を定点カメラでとらえた番組「駅ピアノ」と「空港ピアノ」。

6月に放送する「駅ピアノ」は、“音楽の街”アイルランド・ダブリン駅からお届けします。

今回は、番組の企画段階からたずさわってきた尾崎竜二ディレクターに、印象に残ったエピソードや演奏者、シナリオのない番組ならではの苦労話を伺ってきました!

 実はテロップにこだわってます

──この番組を制作しようと思ったきっかけを教えてください!

そもそもは、ほかの番組制作のため海外ロケに行った際、空港にピアノがあったのを見かけたのがきっかけです。それは誰が弾いてもいいピアノだと知り、「弾いている人はどんな人なんだろう?」「なぜこの曲を弾くんだろう?」と興味がわき、そういった人たちを見てみたくなり企画提案をしました。

取材をしてみると、みなさん弾く曲はさまざまなんですね。懐かしい曲だったり、最新のヒット曲だったり、自身で作曲した曲などもあります。誰かがピアノの席につくたびに、「この人はどんな曲を弾くんだろう」とワクワクしながら見守っています。

シチリア島のパレルモ空港では、女性の演奏に聞き入る人続出

──気になったのは、ナレーションがないことです。

ナレーションを入れないと決めたのは、制作側みんなの意見でした。また、音楽もつけず、現場の雑踏の音だけにしています。本当に「その場にいて、ふらりと来た方の演奏を聞く」という状況をお届けしたいなと思い、そうしました。

ナレーションがない代わりに、演奏者の詳しい情報を3~4枚の文章テロップでお伝えしているのですが、その内容にはこわだっています。それぞれの演奏者の生い立ちや暮らし、曲にこめた想いなどをお伝えしたいと思っているので、その短い文面の内容にはすごくエネルギーを使っています。

ロンドンの駅で演奏するのは、ロシア出身のシステムエンジニア

──演奏者のインタビューはどのように行っているのですか?

駅や空港のピアノは、みなさん自然に立ち止まって、弾いて、去って行くというものです。なので、演奏者が弾き終わって立ち上がったところまでの自然な姿を撮影させていただいてから、ダーッと駆け寄ってインタビューのお願いをしています。

インタビューの際に一番聞かなければいけないことは、もちろん「いま弾いた曲は何ですか?」です(笑)。曲名が分からずに編集の際にすごく苦労したことがあったので、必ず聞くようにしています。

また、ひととおり伺ったあと、最後に「あなたにとって、ピアノとは、音楽とは何ですか?」と投げかけることを決まりにしています。毎回本当にすてきな答えが返ってくるので、作っている僕たちも感動の連続です(笑)。

インタビューではすてきなお話が続々!

──これまでの撮影の中で、特に印象に残っている演奏者はいますか?

何人もいます。アムステルダム駅でプロ並みの腕前でショパンの楽曲を演奏したイスラエル人の青年は、兵役につく直前の旅行中でした。「将来はピアニストになりたいけど、どうなるか分からない。最後にピアノを弾けて良かったよ」との言葉が忘れられません。

ほかにも、刑務所の教会でピアノを覚えた男性や、内戦で祖国を追われた人、ホームレス、ピアノを心の支えに戦中戦後を生き抜いた91歳の老人などなど。一台のピアノ、一曲の演奏からさまざまな人生の物語がかいま見えるのもこの番組の魅力と言えるかもしれません。

──撮影中の苦労や大変だったことを教えてください。

演奏者を待つ時間は、ちゃんと番組が成立するのか…と毎回、焦燥感に駆られます。なおかつ、やっぱりすてきな人に来てほしいというのもあって(笑)。ただこればっかりは、自分の力ではどうにもならないですね。

また、取材班は全部で3人。私と、カメラマンと音声さんのみです。5台のカメラを設置して、あらゆる角度から撮影しています。苦労している点は、自分たちが映り込まないように隠れる場所を探すことでしょうか(笑)。

マルタ島の空港では、お母さんが演奏

 6月24日(月)は「アイルランド・ダブリン」編です!

──6月24日は、「ダブリン編」が放送されます。どんなところなんですか?

ストリートミュージシャンがすごく多くて、あちこちで音楽を演奏している街です。路上でグランドピアノ、ドラムセットを演奏するのも当たり前で、音楽にあふれていました。それでいて多国籍。若い人たちも多く、とても元気な街でしたね。

──どんな方が演奏を披露してくれるのですか?

地元の大学生が、今映画で話題のクイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」を完璧に弾いてくれます。しかもそこに、アメリカから旅行で来た女性がやってきて、その彼と2人でセッションが始まりました。インタビューするみなさんがよく言うのですが、ピアノというのは民族も言語も関係ない世界共通の道具なんですね。年代も国籍も違う2人がピアノを通してつながっていく姿はぜひ見ていただきたいです!

2人のセッションはぜひ番組で!

──ほかには、どんな見どころがあるのでしょうか。

「たまたま居合わせた者同士のやりとりの豊かさ」に加えて、国籍、世代、楽曲の多様さも魅力です。特に楽曲は、ポップスからクラシック、映画音楽、シャンソン、アニソン、そして驚きの日本のあの曲まで。いつも以上にバラエティー豊かで、まるでおもちゃ箱をひっくり返したような、楽しいラインナップになっています。

実はこのシリーズをやってきて、僕も最近ピアノを始めました(笑)。本当に“いちから”やっているのですが、今日の午前中も1時間半ほど練習してきました。まだ遊んでいる状態ですが、とても楽しいです。もちろん夢は、駅や空港で弾くことですね(笑)。
見てくださるみなさんにも、番組を通して何かを感じてもらえたらうれしいです。また、その街に行った気分になれたり、曲との出会いも味わえたりするので、気軽に見ていただければと思います。

みなさん本当に上手な方ばかり! あなたの思い出の曲を誰かが弾いてくれることもあるかもしれませんよ?! ぜひご覧ください♪

取り上げた番組はこちらです!

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