ラジオで講談! 松之丞の怪談でゾッとする夏を……

神田松之丞がいざなう怪談の世界

8月19日(月)[ラジオ第1]後8:05~9:55

今、伝統話芸の「講談」が若い世代でブームになっているのをご存知ですか?

その人気をけん引するのが、講談師・神田松之丞さん。江戸時代から続く話芸の魅力を、令和の時代に復活させる熱き風雲児、松之丞さんはその人気から“いま最もチケットが取れない講談師”と評判です。

独特の名調子と、まるで目の前に映像が浮かび上がるかのような変幻自在の語りで、聴く人の心を講談の世界へといざないます。

そんな松之丞さんをお迎えして、8月19日(月)にラジオ第1で「神田松之丞がいざなう怪談の世界」が放送されます。NHKふれあいホールで行われた番組収録を前に、神田松之丞さんから講談で楽しむ怪談の魅力や、番組の聴きどころをたっぷりと伺います!

 ラジオで怪談は相性が悪い!?

──講談の世界には「冬は義士、夏はお化けで飯を食い」という言葉があるとか?

講談は年末はいわゆる忠臣蔵、そして夏は怪談が人気、というところから来ているんです。初代の林家正蔵、三遊亭圓朝などの落語家さんから怪談は人気が出たそうで、幕末から明治にかけて夏の風物詩といえるほど流行したらしいですね。その流れが、講談の世界にも定着したのだと思います。

──映画やテレビもない時代の庶民の娯楽だったのでしょうか?

幕末から明治にかけて講談はものすごいブームになって、講釈場っていう講談専門の寄席にものすごいお客さんが詰めかけていたらしいです。で、夏は趣向として、少し明かりを暗くしてけれん味たっぷりに江戸っ子たちを怖がらせて……なんてことをやっていたんじゃないかと思いますよ。今でいう映画のような人気だったのでしょうね。

──松之丞さんは怪談のうまさから「殺しの松之丞」と異名があるそうですが、今回はラジオで怪談ですね。

その異名は聞いたことがないですが(笑)。実はねぇ……、ラジオで怪談ってあまり相性がよろしくないらしいんですよ。

──それはどういう意味でしょうか!?

逆に相性が良すぎて怖くなりすぎるというのがあるらしいんですね(笑)。ラジオで聞いていると、怖さを耳から聞いて想像でどんどんふくらませていくから、本当に怖く感じてしまうらしくて。「家の小さな物音にもビクッとして怖いから放送をやめてくれ」なんて声も届くとか届かないとか。でも、そこまで皆さんが怪談の世界に引き込まれ、現代のテレビやドラマ、動画、SNS……と、何でもありの時代にラジオで話芸を思い切り楽しんでくれるなら、僕も本望ですね。

──怪談の魅力とは?

僕たちは、怪談だから怖がらせようとか、幽霊が出てくるから聞く人は怖いだろうとは、考えていないんです。最終的にはもちろん怖くはなるんでしょうけれど、それよりいかに人間をじっくりと語り、描いていくか。それが講談における怪談の魅力かもしれません。そして、江戸時代だろうが令和だろうが、人はそんなに変わらないんですね。普遍的なものがあるので、江戸時代を背景にしても、人がゾッとするほど怖くなるものがあるのではないでしょうか。

 時代を超えて怪談を愛する日本人

──身近な世界であるからこそ怖いもの、なのですね。

特に古典の怪談の中には、江戸時代の身分制度の中で、特権階級だった武士たちへの不満があったのか、情人を容赦なく斬り殺した侍が化けて出られて、ついにはこらしめられる……といった話も少なくないんです。それを見ると怪談で怖がるだけでなく、そこに庶民の心がスッとするようなところもあって、より人気に火がついたのかもしれないなと感じます。

──自分たちではできないけれど、幽霊にこらしめてもらうと。

そうですね。物語の中に漂う人間の情念が、現代にも通じる怖さというか。これだけ科学が進歩した現代にも、通じるコンテンツなんだろうと思います。また、日本人はそうやって語り継いで、時代を超えて怪談を愛してきた、ともいえるでしょうね。

300名のみなさんと公開録音を行いました!

──番組には松之丞さんの怪談に加え、師匠である神田松鯉しょうりさんや演芸評論家の長井好弘さんと講談における怪談の魅力を語るコーナーもあるとか。

師匠・松鯉は、毎年夏は怪談を特別興行でやっていて大きな反響をいただいています。怪談についても私が足元に及ばないほどレパートリーを持っています。怪談にまつわるいろんな話が飛び出すので、どうぞ楽しみになさってください。また怪談を入り口に、演芸場に足を運んだことのない方にも今回の番組で魅力を知っていただいて、講談に対して興味を持っていただけたらうれしいですね。

神田松鯉さん(中央)、演芸評論家の長井好弘さん(右)と講談における怪談の魅力についてトークする松之丞さん

──最後に、メッセージをお願いします!

今回、会場となったNHKふれあいホールの客席数に対して、10倍以上の3400通にものぼる観覧のご応募をいただいたと番組の方から伺いました。令和の時代に、これだけ講談が注目していだだけることに、僕もとても励みになる思いです。

講談を聞いたことがないという方も食わず嫌いをされずに、ぜひこのラジオの怪談から楽しんでみてはいかがでしょう。僕自身、あるとき偶然聞いたラジオの落語をきっかけに、講談という話芸の世界にたどり着き、いまの神田松之丞があります。ぜひ皆さんにもここを入り口に、伝統芸能の“沼”に入り込んでいただけたらうれしく思います。

松之丞さんの師匠・神田松鯉さんも至極の“怪談話芸”を披露します!

神田松之丞さんは来年2月にはいよいよ真打に昇進され、六代目神田伯山を襲名されます。また、師匠の神田松鯉さんも重要無形文化財の保持者、いわゆる人間国宝に新たに認定されることになりました。

番組でどんな演目を話すかは放送までのお楽しみですが、ますます熱い注目を集める講談で、この夏、怪談の魅力をたっぷりと味わってみてはいかがでしょうか?

撮影:五十嵐貴文

神田松之丞がいざなう怪談の世界

【放送予定】8月19日(月)[ラジオ第1]後8:05~9:55

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