日本に残る怖い伝説にはさまざまな教訓が!?

こわでん(怖い伝説)

8月7日(水)[BSプレミアム]後10:00~11:00

真夏の夜に、日本全国にある“怖い伝説”を紹介する番組「こわでん(怖い伝説)」。

昔話や伝説、伝承が多く残っている日本。中でも、各地に残っている怖い伝説には日本人独特の死生観や自然を敬う気持ち、女性への畏敬、モラルなど、人々がよりよく生きるための教訓がたくさん詰まっています。番組では、そんな怖い話を4本ピックアップしてドラマとロケVTRで紹介します!

番組制作のいきさつや各話の見どころなどを、加地克也ディレクターに聞きました!

 「怖い話」には日本人として大切なものが隠されている

──この番組を作ろうと思ったきっかけを教えてください

2年前に「真夏の夜の異界への旅『霊場伝説』」という番組を作ったときに、かつて霊場だったところには必ず変な伝説があるということを知ったんです。そういう伝説には何かの教えのようなものが隠されていて、それが怖い話になっているのです。調べてみたところ、全国各地にそんな怖い話がたくさん残っていて、興味を覚えました。
それと、最近世の中がおかしくなっているなと感じることが多くて。幼児虐待だったり、電車を降りる時に「すみません」のひと言が言えなかったり。他人に対して気遣えない人が増えているような気がしたんです。日本人のいちばん良いところがなくなっているんじゃないかなと。実は、怖い話というのはそういう“人として、日本人として失ってはいけない大切なこと”を教えてくれるものなのです。それを堅苦しくならないように、一つのエンタメとしてたくさんの方に見ていただけたらいいなと思って企画しました。

──今回紹介する4本の話には、それぞれ何かテーマがあるんですか?

1本目の富山県・黒部峡谷に伝わる「舌を抜かれた十六人の男たち」は、環境破壊について。また、福井県・飯降山の「崖から突き落とす女」は、共有財産の一人占め。長野市・犀川の「人柱伝説」は、人として言っていいことと悪いことがあるという教え。石川県・金沢市の「鬼母と姉妹」は、幼児虐待にまつわる伝説です。大体30本ぐらいリストアップして、その中からこの4本を選びました。

富山県のとある谷に伝わる「舌を抜かれた十六番目の男」。地元で伝わる原題は「十六人谷」という(左)/福井県・飯降山の「崖から突き落とす女」は、山で修行中の尼さん3人のお話。地元で伝わる原題は「飯降山」。

旅人たちは現地の人に話を聞いたり、専門家の解説を入れながら、怖い話の全体像や背景などを分かりやすく紹介していきます。

 “持っている男”小野賢章に注目!

──現地でどのように伝説が伝わっていたのかをひもとく“旅人”が登場しますが、「黒部峡谷」編は、声優の小野賢章さんがリポーターを務めているんですね。

小野さん、怖い伝説を追うリポートは初めてだったそうですが、黒部峡谷のロケは、山奥の撮影だったので大変だったんですよ。でも、小野さんはトレッキングシューズを履いてがんばってくれて。ここから先は素人では無理だというギリギリのところまで行ったんですけど、奥まで行けないことを残念がっていましたね。自然が好きな方なんだなという印象を抱きました。

小野賢章さん

それから、小野さんは“晴れ男”かもしれません(笑)。東京を出発したときは雨が降っていましたが、黒部峡谷に着いて小野さんが現れたら良い天気に! 改めて“持っている人”なんだなと思いました。
ちなみに、ロケ地が秘境だったこともあり、激しい水の音などで小野さんの声がよく聞こえない場面が多くて。小野さんのすてきな声をすべてお届けできない点は申し訳ないのですが、大自然の中で撮影した臨場感を楽しんでいただけたらと思います。

各地で伝説を取材するのは、(左から)小野賢章さんのほかに、遼河はるひさん、金子貴俊さん、レッド吉田さん!

──ドラマについてはいかがでしょうか

よくある“再現ドラマ”にはしたくなかったんです。あくまでも、1本の短編としておもしろいものを作ろうと。音響効果を担当するスタッフと相談して、音楽や効果音もそれぞれの話に合ったものを厳選していますし、映像的にも色にこだわっているので、どれも本格的な短編ドラマとして見ごたえのある作品になっていると思いますよ。

もともと、怖い話って短編が多いんです。だから、そのエッセンスを上手く生かして、星新一のショートショートみたいな、しっかりと物語を楽しんでもらえる演出を心掛けました。

長野県に伝わる「人柱はお前だ」は、ある村に暮らす父と娘のお話。地元では「雉も鳴かずば」という原題で伝わっている(左)/石川県の「この子をあの世へ」は、仲の良い姉妹のお話。原題は「おぎんとこぎん」

──最後に視聴者の皆さんにメッセージをお願いします!

怖い話というのは決して遠い場所で起きたものではなくて、調べてみると自分の身近なところにもたくさんあったりするんです。番組を通して、あまり知られていない身近な怖い話に興味を持っていただけたらうれしいですね。

それぞれの話にはいろんな“教え”が隠されていますけど、決して説教臭くはありません。あくまでもエンターテインメントとして、ドラマとロケVTRを交えながら作っています。夏だから怖い話でも見てみようかなという軽いノリで見ていただいて、ほんの少しでもいいので「人として優しく生きていこうかな」「日本人の良いところを見直してみようかな」と思ってもらえたらいいなと。夏の夜に、気楽な感じで見てください!

4本の“怖い伝説”が教えてくれることは現代に通じるものばかり。ただ怖いだけではなく、いろんなことを考えさせられる物語はどれも興味深いですね。スタッフがこだわり抜いて作った異色の番組、暑い夏にヒヤッとできて、伝説は大切なことを教えてくれます。お楽しみに!

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