師弟関係のスパイの“絆”、感動のラストに胸が熱くなる

スパイ・ゲーム【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

9月16日(月・祝)[BSプレミアム]後1:00

今年83歳、先ごろ俳優活動の引退が伝えられたロバート・レッドフォード。ハリウッドを代表するハンサム・スターであり、アカデミー賞に輝く監督であり、反骨の映画人として社会派の作品を発表、環境問題にも取り組み、新しい映画作家の発掘・育成を目的としたサンダンス映画祭を設立するなど、その幅広い業績は多くの人から尊敬されています。

「明日に向って撃て!」(1969)「スティング」(1973)「大統領の陰謀」(1976)、最近ではMCUの「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」(2014)にも出演、年齢を重ねてもひたすらカッコいいレッドフォードですが、個人的に一番! と思えるのが、「スパイ・ゲーム」(2001)です。

ロバート・レッドフォードとブラッド・ピットの初共演作

レッドフォードが演じるのはCIAのベテラン諜報員・ミュアー。1991年、定年を迎えた日に、かつて自分が採用し、教育した部下・ビショップが中国で逮捕されたとの情報が入ります。上層部に呼び出され、情報提供を求められるミュアー。上層部がビショップを見捨てようとするなか、ミュアーは上層部に秘密で独自のルートを駆使し、ビショップ救出に乗り出します…。

「ノアはいつ方舟はこぶねを?」「雨が降りだす前に造った」。常に事態の一歩先を読み、相手の裏をかいて行動する、冷静沈着で臨機応変なミュアー。ダークスーツの集団のなかで、カジュアルな服装に身を包み、やることなすこと、いちいちカッコいい。まさにレッドフォードにしかできないキャラクターです。

人間的で血気あふれるビショップを演じるのがブラッド・ピット。端正なルックスと演技力からデビュー当初はレッドフォードの再来ともいわれ、現在ではハリウッドを代表する俳優・プロデューサーとして活躍しています。この2人がはじめて共演、師弟を演じたのがこの作品です。

監督はトニー・スコット。「トップガン」(1986)はじめ、数々の大ヒット作をてがけた名匠です。ベトナム、東欧、中東を舞台に、ミュアーとビショップの絆と対立を描く過去と、CIA本部をミュアーが奔走する現在を巧みにシャッフルしたスピード感あるダイナミックな演出は、スコット監督ならでは。映画でしか味わえないエモーションに満ちています。スコット監督といえば、メリーゴーラウンドのように回転するカメラワークが印象的。この作品でも、ビルの屋上でミュアーとビショップをとらえた超絶ショットが登場します。

ハラハラドキドキのクライマックス、胸が熱くなる感動のラスト、傑作中の傑作をお楽しみください。

【放送日時】
プレミアムシネマ「スパイ・ゲーム」
9月16日(月・祝)[BSプレミアム]後1:00〜3:08

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坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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