火星にひとり取り残された男…
果たして生きて帰れるのか?

オデッセイ【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

10月14日(月)[BSプレミアム]後9:00

火星探査チームが猛烈な砂嵐に遭遇、ミッションを中止し、脱出を決断します。しかし、エンジニアで植物学者のマークが行方不明に。チームはマークが死亡と判断、火星を離脱します。しかしマークは生きていました。酸素も水も食料も足りない危機的な状況のなか、マークは、たった一人、命をかけたさまざまなアイデアを試みます。一方、NASAは救出作戦を開始、はたしてマークは生きて帰れるのか…。
今回ご紹介するのはSFアドベンチャーの名作です。

リドリー・スコットがデジタル技術を駆使し、迫真のリアリティーを実現!

原作はアンディ・ウィアーの小説『火星の人』。火星で酸素をどうやって作りだすか、食べ物は、孤独とどう闘うのか…、科学的な知見に基づいて、想像力豊かに書きあげられた物語は、日本でも大きな反響をよびました。その小説を映画化したのが、「エイリアン」(1979)「ブレードランナー」(1982)と、独創的なビジュアルで、SF映画を刷新した巨匠リドリー・スコット監督です。SFだけでなく、アカデミー作品賞を受賞した「グラディエーター」(2000)、戦争映画「ブラックホーク・ダウン」(2001)など、華麗な映像美の作品を驚異的なペースで発表しています。もともとはグラフィック・デザインを学んでいたスコット監督、自分自身で精密な絵コンテを作り、美術や最新の撮影技法も熟知していることで知られており、この映画でもデジタル技術を駆使し、迫真のリアリティーをもたらしています。

主演はマット・デイモン。傑作青春映画「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」(1997)で注目され、アカデミー脚本賞を受賞、スパイアクション「ボーン・アイデンティティー」(2002)、実話をもとに南アフリカのラグビー選手を演じた「インビクタス/負けざる者たち」(2009)と、幅広いジャンルの作品に出演している演技派です。絶望と孤独のなか、常にユーモアをもって生き抜こうとするマークを見事に演じています。

さらに注目なのは音楽。未来が舞台で、リアリティー重視のSF映画なのに、70年代のディスコチューンを中心に、懐メロとも思えるような名曲が次々流れます。NASAのチームが、マーク救出のプランを立案するところで流れるのは、デビッド・ボウイの名曲「スターマン」、といった具合で、物語と深く関わる、考え抜かれた選曲となっています。これも映画ならではの魅力ですよね。

緻密に練られ、手に汗握るハラハラドキドキの展開とユニークなビジュアル、ユーモアと感動。エンターテインメントであり、深い余韻を残す名作をご堪能ください。

【放送日時】
プレミアムシネマ「オデッセイ」
10月14日(月)[BSプレミアム]後9:00〜11:23

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坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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