実話をもとに麻薬捜査の“リアル”を描く
“映画史上最高”のカーチェイスもみどころ!

フレンチ・コネクション【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

11月13日(水)[BSプレミアム]後1:00

ニューヨークで麻薬捜査にあたる刑事・ポパイとルッソは、ナイトクラブで怪しい人物に目をつけ、張り込みを開始、執念の捜査は、フランスとアメリカを結ぶ麻薬の密輸ルートにつながっていきます…。
今回ご紹介するのは、アカデミー作品賞はじめ5部門に輝いた傑作です。

ドキュメンタリータッチで、実話の緊迫感が演出される

ポパイこと、ドイルを演じるのはジーン・ハックマン。当時40代前半、捜査のためならどんな手段も辞さないエネルギッシュでタフな刑事を熱演しました。これ以上は考えられないほどピッタリな配役ですが、実生活でのハックマンは穏やかな性格で、演じたドイルとはあまりに違いすぎて、途中で降板しようとも思ったということです。しかし、監督からの徹底的な指導で、自身の内なる暴力性をさらけ出す名演技をみせ、アカデミー主演男優賞を受賞、数々の名作に出演しました。今年89歳、現在は俳優を引退し、作家として小説を発表しています。相棒のルッソを演じたロイ・シャイダーも、この作品で一躍注目されました。

実話をもとに低予算で製作されたこの作品、説明を排した語り口と、まるで本物の捜査現場に居合わせたかのような迫真のリアリティーは、その後の犯罪映画やアクション映画に大きな影響を与えました。
当時30代だったウィリアム・フリードキン監督は、それまでの経験からドキュメンタリータッチで撮影することを決め、実際の捜査に携わり、ポパイとルッソのモデルとなったエディ・イーガンとソニー・グロッソはじめ、本職の警察官をアドバイザーや出演者として撮影に参加させ、徹底的な取材をもとに、ロケ撮影を多用して作りあげました。撮影監督のオーウェン・ロイズマンは、照明をしていないと思わせるような照明を心がけ、フリードキン監督は、カメラ操作担当のエンリケ・ブラヴォに、事前に詳細な場面の説明や細かなリハーサルをせず、その場で起きていることを撮影するよう指示したということです。

高架を走る電車を追跡するカーアクションは、映画史上最高の迫力ともいわれますが、それもそのはず、特撮や視覚効果はなしで、カメラを装着した車を猛スピードで走らせたということです。フリードキン監督は回想録で“映画の神がほほえんでくれた”と語っていますが、今では考えられない、まさに“伝説”の撮影だと思います。運転したスタントマンのビル・ヒックマンは、FBIの捜査官役で出演しています。

映画史上の傑作、改めてご堪能ください。

【放送日時】
プレミアムシネマ「フレンチ・コネクション」
11月13日(水)[BSプレミアム]後1:00〜2:45

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坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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