“ハビちゃん”が子どもたちに特別レッスン!

奇跡のレッスン「ハビエル・フェルナンデス編」

2020年1月5日(日)[BS1]後7:00

BS1でお送りしている「奇跡のレッスン」は、世界で名をはせる超一流の指導者が子どもたちに贈る1週間余りの集中レッスン! 技術だけでなく心の変化まで呼びおこす様子を描きます。

2020年1発目の“コーチ”は、なんとフィギュアスケート界からピョンチャンオリンピックの銅メダリスト、スペインのハビエル・フェルナンデスが登場! 出演交渉からレッスンの舞台裏まで、池田一葵ディレクターに語ってもらいました。

 事前打ち合わせは国際テレビ電話で!

「実は今年のはじめにハビエルの引退が発表されてから、制作チームがずっと出演交渉をしていました」と最初に明かしてくれた池田ディレクター。念願かなって話がまとまったのが、夏ごろだったそうです。

NHK_PR(以下PR):そもそも池田さん自身はフィギュアスケートファンだったのですか?

池田:全然! テレビで見ていて「選手のみなさんすごいなぁ」って漠然と思っていましたが、何がすごいのかはまったくわかっていなかったんです。担当することになって勉強しました! 今回の取材も含めてフィギュアの魅力とトップに上り詰める困難さ、ハビエルの人格などなどすばらしさをはっきり知りましたね。

PR:ハビエル選手はスペイン人で海外在住ですよね。ロケ前の打ち合わせはスペインで?

池田:いえ、通訳の方に同席していただいて私は日本にいたまま“国際テレビ電話”を使って行いました。「どんなことをやりたい?」「生徒たちのレベルはバラバラだとやりづらいかもしれない」などざっくばらんにお話をして。ただ、それも1回だけ。

PR:1回だけ!?

池田:ハビエルが「実際に見てみないとわからない」と話していたことに加え、彼が多忙だったこともあり、あとは日本に来てからだったんですよ。

PR:ディレクターとしてはちょっとドキドキしちゃいそうですね。これまでもその流れで作っていたんですか?

池田:コーチによってレッスン内容の固め方は異なります。事前にがっつり決めて組んでいる方もいれば、ハビエルのようなタイプも。ただ最強コーチ皆さんが一様におっしゃるのは「子どもたちに会ってみないとわからない」ということです。どんな子かによってレッスンは異なりますから。ハビエルの場合は現役時代に師事していたブライアン・オーサーコーチが、生徒がどんなことを抱えているのか大事にする人だから、彼自身もそれを念頭に置いていたのかもしれませんね。

 自身と同じ状況の子どもたちにレッスンを

前日まで埼玉県でアイスショーに出演。レッスン当日に生徒たちの待つ青森県八戸市へ新幹線で移動してフィギュアスケートクラブへ向かうというハードスケジュールでした。

PR:青森の子どもたちを生徒に選んだ理由は?

池田:フィギュアといえばお金のかかるスポーツというイメージがありますが、ハビエルは特別裕福な生まれだったわけではありません。“フィギュア不毛の地”と呼ばれるスペインで、お父さんが必死に働くことでハビエルとお姉さんはスケートを続けることができ、10代後半でコーチに見いだされました。

PR:いわゆる、ごく普通の一般家庭で育っていたんですね。

池田:だから同じような境遇・経験をしている子どもたちが相手だとハビエルは伝えられることも多いだろうし、なおかつ子どもたちは希望が持てるんじゃないかなと。そこで調べて行きついたのが青森県八戸市のフィギュアスケートクラブだったんです。

PR:生徒たちが決まったとき、ハビエルはなんと?

池田:「僕はずっと、そういう子どもたちに教えたいと思っている」と快諾してくれました。実はハビエル、学校を作りたいんだそうです。自分が悩んだことを解消できるようになりたいんだそう。だから本人としても教えがいがあったのではないでしょうか。

PR:「奇跡のレッスン」では誰がコーチとしてやってくるか、事前に伝えないことが多いと聞きました。それは今回も同じですか?

池田:はい、台本もありません。最初が出会いのシーンであること、最後に発表会を行うことだけしか決まっていませんでした。今回も対面したとき、子どもたちはとっても喜んでくれましたよ。

 ハビエルの表現力を学ぶ!

ハビエルがリンクに到着後、さっそくレッスンがスタート! それから毎日、お昼休憩を挟んでリンクで約5時間の指導で、ハビエルが話した内容を通訳が子どもたちに伝えていく方式。いったいレッスンがどんな様子だったかというと…

池田:この番組は50歳を過ぎたベテランがコーチとして出演することが多く、現役選手がそのまま最強コーチとしてやってくることはなかなか難しかったりします。ですが、ハビエルは現役を退いたばかり。だから実際にリンクで滑り、「これをマネしてみて」と伝えることができたんです。ハビエルといえば表現力にたけたスケーターで、まさに“エンターテイナー”! 子どもたちにも「(曲の)主人公を演じ切らないとだめだよ。フィギュアスケートはスポーツだけど芸術なんだから」と話していて、演じることへのこだわりを感じました。

PR:滑りを間近で見ることができたんですね。ハビエルが実際のプログラムを滑ってみせることもあったんですか?

池田:リンクサイドに待機した子どもたちを前に、彼の以前のプログラム「セビリアの理髪師」を披露しました。あえてジャンプを抜いたバージョンなのですが「ジャンプがなくても表現力をつければこれだけ踊れるんだよ」と実演を通じて教えていましたね。

PR:池田さんがそばでその様子を見ていて、感じたことは?

池田:会場では近いところで見ないと選手の表情の変化までわかりません。それもあってか、子どもたちはふだん表情を意識せず動きだけで滑ろうとしてしまっていたんです。けれどハビエルの実演を交えたレッスンを通じ、自分たちに一体何が足りないのか気づく。そしてそれをちょっとずつ素直に実践する。“吸収力がすごいなぁ”と思わずにいられませんでした。

 常に心を開き、子どもたちに寄り添う

実はこれまでコーチ経験がほとんどなかったというハビエル。しかも相手は外国の子どもたちで、通訳を介さないと言葉が通じません。収録中、ハビエルが悩みながらレッスンにあたっていた姿も、池田さんは目撃しています。

PR:そのままの言葉で伝えることができない、というのはきっともどかしいですよね。

池田:「なんて言ったら伝わるかな」「どうしたらいいのだろう」と悩み、言い方を変えてみたり、休憩をはさんでみたりと試行錯誤する様子が多々見受けられました。

PR:これまでの「奇跡のレッスン」はコーチ経験者が多いようでしたが。

池田:はい、コーチとして“確固たる言葉”を自分のなかに持っている方ばかりでした。でも経験がないハビエルには、まだそれがない。だから今まで自分が教わってきたことを思い返しながら言葉にしていったり、行動に移していったりしているかと思いましたし、逆に子どもたちにとってはアスリートとして届きやすい言葉になっていて新鮮に感じたのかもしれません。

PR:レッスン中、最も池田さんの印象に残ったことを教えてください。

池田:ハビエルが生徒全員と個々に面談をしていたことでしょうか。10人いたのですが、それぞれの話を丁寧に聞いて、寄り添って…。もう、素直に「ハビエルは本当に良い人なんだなぁ」としみじみ感じました。“自分はプロだけど他の人の話も聞いてみたいし、どう思うか知りたい、子どもたちの役に立ちたいんだ”と話していましたし、常に心を開いているんですよね。

PR:ハビエルの人柄のすばらしさが伝わってきます。そんなハビエルが子どもたちと向き合い、レッスンした毎日。最終日はいったいどんな流れに?

池田:生徒のご家族を呼んで、発表会を行いました。ハビエルは発表会当日に突然、演技のレベルを上げたプログラムを子どもたちに渡したんです。その時の子どもたちの反応が一番成長を物語っていると思います。ハビエルのレッスンを通じて、一体演技にどんな変化が表れたのか。ぜひ楽しみにしていただけたらと思います。滑り終わった生徒たちひとりひとりにあわせて真摯しんしに言葉をかけるハビエルの姿にもご注目ください!

「ふだんからハビエルは“気さくなお兄さん”そのものでした」と池田さん。レッスンの後、ハビエルはいわゆる“のん兵衛横丁”にスペイン人のスタッフと出かけたり、別の日はラーメンを食べにいったり、はたまた大好きだという温泉にも足を運んでいたりと青森を満喫していたそうです♪

また、今回番組出演を引き受けた経緯には、ハビエル自身“日本が好きだから”という部分も大きかったんだとか。「モロゾフコーチに指導を仰いでいたときは織田信成さんや安藤美姫さん、オーサーコーチに師事すると羽生結弦選手と、日本人と触れ合っている時間が長かったから親近感を抱いてくれているようでした」。

そんなハビエルが、子どもたちを相手にどんなレッスンを繰り広げたのか。どうぞお楽しみに!

奇跡のレッスン「ハビエル・フェルナンデス編」

【放送予定】2020年1月5日(日)[BS1]後7:00

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