深海で遭遇する未知の生命体
海洋SFファンタジー

アビス 完全版【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

2月3日(月)[BSプレミアム]後1:00

「タイタニック」(1997)、「アバター」(2009)、世界的な大ヒット作を発表するジェームズ・キャメロン監督。そのキャメロン監督が深い関心を寄せているのが、海。自身ダイバーであり、深海をテーマにしたドキュメンタリーも製作しています。今回ご紹介するのは、深海を舞台にしたキャメロン監督のSF超大作です。

劇場版にシーンを追加し再編集、“3時間”近くに及ぶ完全版!

海底油田の採掘基地の近くで原子力潜水艦の事故が発生。基地のスタッフと特殊部隊が調査を開始します。前人未到の深海で遭遇した未知の生命体とは…。

少年時代からダイビングやSF・科学に夢中だったキャメロン監督、物語の原点になったのは高校生のときに執筆した、深海へと潜るダイバーが主人公の短編小説だということです。「2001年宇宙の旅」(1968)を見て衝撃を受け、映画の道を志したキャメロン監督は、「ターミネーター」(1984)、「エイリアン2」(1986)の世界的な成功を受け、長年構想してきた超大作を実現させました。

キャメロン監督の作品は、最新の技術を駆使した、リアリティーあふれる迫力の映像が印象的です。30年以上前に製作されたこの映画も、当時最先端の映像技術が使われ、アカデミー賞を受賞しています。その一つ、海水がへびのような形になって、生き物のように海底基地内を動く映像は、当時画期的だったコンピューターグラフィックスで表現され、その技術が「ターミネーター2」(1991)の液体金属ロボットや「タイタニック」の海に継承されています。

さらに深海のリアリティーを追求するため、中西部ミズーリ州にある深い地下水でダイビングスポットになっている鉱山や、南東部サウスカロライナ州の発電所の使われていない巨大なタンクに水をはり、機材も新たに開発して、実際に水中で撮影したということです。スタッフ・キャストは潜水免許を取得、撮影は長時間にわたりましたが、油田の基地で働くタフな主人公・バッドを演じるエド・ハリス、バッドの妻を演じるメアリー・エリザベス・マストラントニオの迫真の演技には圧倒されます。

美術監督のレスリー・ディリー、コンセプト・デザインのロン・コッブ、コミック作家として知られるフランス人のジャン・ジローは、「エイリアン」(1979)でSF映画のビジュアルを刷新した面々で、この映画でのデザインや色彩、未知の生命体は不思議な魅力にあふれています。今回は、劇場公開版よりも長い、3時間近くに及ぶ完全版の放送です。キャメロン監督の壮大なスケールとビジョンをたっぷりお楽しみください。

【放送日時】
プレミアムシネマ「アビス 完全版」
2月3日(月)[BSプレミアム]後1:00〜3:52

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坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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